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9話 ページ10

苦しかった。

忘れなきゃいけないって頭で分かってるのに無理だなんて。

その結果無関係の後輩を突き飛ばすなんて私はどれだけ屑何だろう。


岩泉「……そうか………」


岩泉さんは私の頭を撫でてくれた。

今迄親や年上の兄弟みたいな甘えられる人がいなくて、ずっとやられなかった事。

その優しさは私の涙腺を崩壊させるには充分だった。


『…っ……うぁあっ……』ボロボロ

岩泉「……もっと頼れよ」


涙でみっともない顔になっていた筈なのに、顔を顰めたり嗤ったりせず頭を撫でてくれる岩泉さん。

凄く嬉しい。

嬉しいのに









これが及川さんだったらって思うのは、我儘なんだろうか。



及川side


階段を降りて3年の階に向かう。

岩ちゃんは何してんだろ…

あと5分で昼休み終わっちゃうのに。


「………りが……、……いま………」

「…いじょ………。……りで……………うな…ね…………」



……岩ちゃんと……Aちゃんの声?


3年の階に他の学年がいたらすぐバレない?

バレない人目の少ない場所なんて限られてる……


俺は早足で空き教室に向かった。









開けっ放しの扉から見えたのは、1つになってくっついているような二人分の影。

言う迄も無く、Aちゃんと岩ちゃんだった。

岩ちゃんはAちゃんの頭を撫でていて









Aちゃんの顔は、笑顔だった。




頭の中の何かが冷えて砕ける様な感覚がして









気付いたら、俺は教室の椅子に座って授業を受けていた。

もう既に20分ぐらい授業は進んでいて、俺は全く記憶が無いのにノートを無意識にとっていた。




………何で、岩ちゃんはあんな事してたんだろう。


答えは明確なのに、遠ざけようとしている自分が居る。

励ましてただけだ。



Aちゃんと1年生の間に何かがあって、Aちゃんが傷ついた。

Aちゃんは偶然空き教室がある事を知っていて、岩ちゃんが偶然そこに辿り着いた。

Aちゃんを励ます為に頭を撫でて、それでAちゃんが笑顔になった。



只、それだけ。

Aちゃんが笑顔を見せる人はごく1部だけど

岩ちゃんは優しいから

それで、嬉しく思っただけだ。









絶対……

そう絶対に









Aちゃんと岩ちゃんがリョウオモイだとか

Aちゃんが岩ちゃんのことアイシテルとか




信じたくない。

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おかか - 面白いです!いやぁ、拗れに拗れてどうなるのか楽しみです!更新頑張ってください!待ってます!!!! (2020年7月31日 22時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむめる - めっちゃたのしいです! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e85c9710e6 (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎ。(プロフ) - 狛犬さん» 勿論です!コメント返せなくてもちゃんと見てますからね〜(●´▽`●) (2019年9月11日 20時) (レス) id: a0ef61b42b (このIDを非表示/違反報告)
狛犬 - 面白かったです! 更新頑張ってください! (2019年9月11日 17時) (レス) id: 7685bdfe15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きさらぎ。 | 作成日時:2019年9月6日 21時

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