夏の思い出は知っている。 (ページ2)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:6,434 hit

ページページ2

ぐるぐると螺旋階段のような坂を上る。

じっとりと汗が滲んだ。

少し行くと若武の家が見えてきた。

オリーブの葉が強い日差しを反射してキラキラと輝く。

暑さも忘れて私はうっとりとそれを眺めた。

｢…ﾔ！アーヤ！｣

セミの鳴き声に紛れて後ろから私を呼ぶ声が聞こえて振り返る。

翼と小塚君が手を振りながら坂を上ってくるところだった。

｢翼、小塚君。こんにちは。｣

｢こんにちは。アーヤ早いね。｣

｢うん。今日は早めに出ちゃったんだ。｣

話しながら家の前までいくと自転車から降りる。

ノッカーを叩くと島崎さんが出てきた。

｢あら皆さん。和臣君なら書斎に居ますよ。今日はスイカがありますので、おやつにご用意しますね。｣

｢｢｢ありがとうございます！｣｣｣

スイカかぁ楽しみだな。

ルンルン気分で廊下を開けて書斎のドアを開ける。

｢よっ！｣

｢久しぶり、若武。｣

久しぶりに見た若武は前会った時より日に焼けていた。

私たちが椅子に座るとドアが開く音がし、続いて廊下を歩く音がした。

書斎のドアが開いて顔を見せたのは黒木くんと上杉くんだった。

｢久しぶりみんな。｣

｢よ。｣

｢お久しぶり、黒木君。上杉君。｣

挨拶をかわしているとまたもや書斎のドアが開いて忍が顔を覗かせた。

｢ごめん、遅れた。｣

｢大丈夫だよ。私達も今来たところ。｣

全員が椅子に座ると若武が口を開く。

｢諸君、よく集まってくれた。これからKZ7会議を始める。｣