【リレー小説】この無慈悲な世界に能力で希望を【第二章】 (ページ47)

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ネタバラシ【瀬戸内帝華/蓮@雫3318】ページ47

「ざまあみやがれください。お母さん」

お義母さんは苦しそうに私を見上げる。

「何をしたのッ…帝華!」

だから、にっこりと笑って種明かしをする。

「私が天秋に打ち込んだウイルスは２つあります。１つは自分の意識と反する行動をする。そして、もうひとつは、」

「私と天秋の近くに居るだけである幻覚を見てしまうウイルスです。」

そして、指を鳴らす。

そこは…

オークション会場だった。

「お花見の時の黒服は、実はオークションの人間です。貴方が意識を失ってる間に隅々まで健康な事を調べさせてもらいました。」

当たり前だ。敵の配下を側に置くなんて血迷ってる。

「素晴らしい!貴方は見事合格致しました。」

「貴方は瀬戸内の戸籍を外れているので、名字は旧姓ですよ。二度と名乗るなどをしないように。」

「しかも1000円で落札!貴方にしてはいい値段ですね。」

「臓器を永遠に提供し続け、貴方がいうマッドサイエンティストに仕え続けて下さいね！」

細胞が急激復活するウイルスを打ち込んでるので切ろうが焼こうがすぐ復活する。

「ああ、儚羽さんの能力が無駄になってしまいました…後で御詫びをしなくては。あ、しかもオークションの黒服売っちゃった…」

独り言をブツブツ呟く私にオークションの売り物が

「私は…瀬戸内財閥のボスよ…?!ボスが、居なくなったらどうするの?!」

と、話すからいつか私がやられたように髪を掴む。そして、最高の笑顔で

「ボスは私です。それでは、ご退場願いますよ。ガラクタさん。」

彼女の醜い顔が歪んで、私に命乞いをする。

耳障りだから、早く退場させたが、ふと止める。

「あ、言い忘れてました。」

「貴方は健康だから、買ってあげましょうか?」

彼女は全力で頷く。

「出来れば一緒にプロジェクト、なんて無理」

『嘘ですよ』

そう囁いたら彼女は絶望した顔で私を見つめていた。

あーすっきり。手駒は作っとくもんだなぁ。と思う。

すると、地震が起きて、私が打っておいたウイルスで皆の視界を覗く。

これは、無黒、さん?

なんでこんな姿かは分からないが、対策を探す。

紙を集めるのか。

生き物、いやこの世とあの世存在するモノ全てには指紋がある。

指紋には箘、即ちウイルスがある。

急いで復活して蝶に運ばせる。

五分後、どうやら届いたらしい。

意識を失ってるであろう無黒さんを巨大化させた蝶に乗せて、こっちに運ばせる。

…良かった。ひとまずは安心だ。

そう、私はため息をついた。