クリームソーダ。≪Kota.Y≫ (ページ9)

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A「今日も本当にいいんですか？」

薮「うん！まだ明るいとはいえ女の子1人は危ないからね～」

A「いつもありがとうございます！」

やっぱり、優しくて紳士だ。

こうやって、毎日家まで送ってくれる。

のんびり2人で歩きながら

他愛もない話をして、

時々吹く風がとても心地いい。

もしも私に、彼氏がいたらこんな感じなのだろうか。

そういえば、先輩って彼女とかいるのかな。

あんまり、そういった話をしたことがないや。

私、先輩のこと全然知らないんだな。

A「先輩って、彼女とかいるんですか？」

薮「えっ？？」

A「彼女ですよ、彼女」

薮「彼女！？いるわけないじゃん！」

今日で1番豪快に笑う先輩。

薮「いたらこうしてAちゃんとも帰れないよ」

A「あっ、そっか！もし彼女がいたら先輩、浮気者ですね！」

笑いながら”この浮気者～！”とか言って先輩を責めるふりをする。

先輩といると本当に楽しいしずっと笑っていられる。

A「あ～、じゃあ、もし先輩に彼女ができたらこうしてお話しすることもできなくなっちゃうんですね」

薮「もしってなんだよ、もしって！…なに、寂しいの？」

A「ん～、そりゃあ寂しいですよ。だって先輩のことすk(リンリンリン

薮「あぶなっ」

後ろからすごい勢いの自転車が来て

先輩に引き寄せられる。

部活帰りのはずなのに、甘くていい匂いがした。

あれ、私さっきなんて言おうとした？

薮「ったく、なんだよあのチャリ。Aちゃん大丈夫？？」

私の腕を握る、男の人らしいゴツゴツして大きな手。

その手でポンポンと頭を触る。

先輩の声も、自分の大きな心臓の音でよく聞こえない。

私、さっき自分で先輩に

”好き”

って、言おうとしたんだ。

ちがう、恋愛感情とかそーいうのじゃない。

ちがうちがう。

あぁ、でも。

気づいてしまった。

私の気持ちに、気づいてしまったんだ。