６ ページ7
「A様！！」
『なんだい？アレン』
訓練場には可愛い私の部下がいた。
栗色の毛の男の子だ。
名前はアレンといい、年は…７だったかな？
『ナイフを使った対人術は上達したか？』
「それが…」
アレンは目を伏せる。
「どうしても相手を前にすると、手が震えて…。怖いんです。
相手を傷つけるのが…。」
私はアレンの小さな体を抱きしめる。
「…A様？」
『アレン。よくこんなバケモノの私の下でこんなにも優しく育ってくれたな。
いいんだ。誰だって最初はこんなものさ。大丈夫だ。安心しろ。』
「A様…。」
アレンの大きな瞳に涙が浮かぶ。
やはり幼い子供の穢れを知らない、美しい瞳が好きだ。
ゆっくりとアレンの体から手を放す。
その時、アレンがはっと顔を上げた。
「A様！！腕に…！」
ああ、怪我のことか。
『腕の怪我なら大丈夫だ。』
「包帯の血の滲み具合だと怪我をして少ししか立っていませんよね。傷もかなり
深そうですし…。
手当ても十分にしてない。医務室に行って下さい！！」
アレンが大きな声で言う。
『少し腕を見ただけでそこまだわかるとは…。お前の観察眼は素晴らしい。
兵士より外交、もしくは偵察の方が向いているな。
今日からそちらの勉強に移れ。上には私から言っておく。』
「そんな…、A様！！僕はまだA様と居たいです！A様！！」
そんなアレンがの声には振り返らず歩き去る。
彼の将来の為なんだ。しょうがない。
しょうがないんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ストロー(プロフ) - コノハさん» ２回目コメントすいません！えと、僭越ながらファンアートを描かせていただきました｡下手ですOTZ私の投稿から見れますので、暇でしたら是非…！ (2017年9月19日 23時) (
レス) id: c775c74e51 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ(プロフ) - モカさんさん» あざーす！ (2017年9月15日 18時) (レス) id: 25084fa337 (このIDを非表示/違反報告)
モカさん(プロフ) - 表現の仕方とかすごい！ (2017年9月15日 17時) (レス) id: dc26fd2bbe (このIDを非表示/違反報告)
コノハ(プロフ) - 返信遅れてすいません。 ありがとうございます！コメントしていただきとても嬉しいです。 これからも死神の花嫁を宜しくお願いします！ (2017年7月30日 19時) (レス) id: 6f40fa3e72 (このIDを非表示/違反報告)
ストロー(プロフ) - 面白かったです！(小並感) (2017年7月27日 19時) (レス) id: c775c74e51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コノハ | 作成日時：2017年7月27日 14時
