上げて落とされると結構ダメージ大きい ページ34
「まあ、ここに来たのは分かるでしょ」
「俺達をここまで手引きしたのはあんたか」
全てを察したらしい阿伏兎が答え合わせをするように問う。
「そうそう。上手く行ったようで何より」
「お陰様でな。助かった」
律儀に礼を言う阿伏兎に対し、その会話から事情を悟った神威の態度はそっけない。
「へぇ。そうなんだ。そりゃうちの団員達がお世話になったね。……で?」
さらりと話を流して、その先を求める。
どういう意味か分からないと首を傾げるフリを見せる黎嵐に、神威はいつもの笑みを浮かべながら、分かりきってるとばかりに斬る。
「態々ここに来たってことは、何か見返りが欲しいんだろ」
裏に潜む意図を探り暴こうとするが如く、神威の瞳に鋭い光が走る。
それにくす、と黎嵐は微笑む。
「ええ、そうでなくっちゃ。貴方のために頑張ったのだから。私達に報いなさいな。………と言いたいところだけど、」
不意に言葉が途切れたかと思えば、ちら、と此方に目線が向けられ、黎嵐と目が合う。
なんだろうと首を傾げるが、その答えは直ぐに分かった。
「残念ながら、私達が動いたのはすべて碧のためよ。碧は貴方の処刑の回避に奔走したわ。お仲間を呼んだのも、それによって他師団からの協力を得られたのも碧の力が大きい。だから、碧に何か褒美をやってね」
「黎嵐……」
ジーン、と感動して崇めるように手を顔の前で合わせる。
ここ数日はもう黎嵐が神の様に思えてならなかったが、今この瞬間が一番後光の眩さが半端なく見えた。
推しとは別の意味の尊さを感じる。
黎嵐様、万歳!!
脳内黎嵐フィーバーで崇め奉りまくってると、さらに現実の黎嵐が言葉を続けようとしていた。
よし、黎嵐言ってやれ!
私を褒めて讃えて評価を伸ばして!
「それに、随分貴方の事を心配していたわよ。寝言で神威、神威……って」
「……え゛?」
わくわくと湧いていた心は突如訪れたハリケーンによって一瞬にして更地になった。
信じられないトんでも発言に全ての動きが制止して、固まる。
嘘だろ、おい。
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アイリス(プロフ) - つ、つつつつづき、続きはどこですか!!!!?????更新頑張ってください!!!!お願い致します!!!!!!!!めっちゃ好きです!!!!!このギャグセンス、マジ尊敬します!!!!!! (2021年7月27日 1時) (レス) id: 45e9dfc0f9 (このIDを非表示/違反報告)
珀艶(プロフ) - ボカロ好きさん» ありがとうございます!!3月くらいには載せられるように頑張ります!! (2021年1月20日 1時) (レス) id: bd045d06a8 (このIDを非表示/違反報告)
ボカロ好き - とっても面白かったです!一気に読んじゃいました、、、w続き楽しみにしてます、頑張ってください! (2020年12月5日 22時) (レス) id: b4f001e126 (このIDを非表示/違反報告)
珀艶(プロフ) - みとさん» 前作から...!ありがとうございます!!丁か半か編はかなり間を置いてからの更新だったので、飽きないで読んで頂けて嬉しい限りです!これからも宜しくお願いします! (2020年8月18日 23時) (レス) id: a51b305c84 (このIDを非表示/違反報告)
みと - 前作からのファンです!いつも楽しませていただいてます!更新頑張ってくださいね! (2020年8月15日 9時) (レス) id: 38b67318b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珀艶 | 作成日時:2020年6月26日 22時