紺碧の夜兎【陸】

イジりの程度って難しい ページ16

「じゃ、気を取り直して次いこ！今度こそ提督の写真だと思うから。ワンワンの写真もまだ残ってるからね」


次があるという事実にアホ提督とワンワンはぎょっとして怯む。
堪らずワンワンが食って掛かる。


「まだやるのか！？十分だろう！」


諦めの悪い二人にふぅとめんどくさげに諭す。


「えー、もーいーじゃん。何を躊躇してんだか。もうバラしちゃったし。一度恥さらせば、二度も三度も同じでしょ？」

「「同じじゃねーよ！！」」

「だいじょーぶダイジョブ。すぐ何も感じなくなるから」

「やめろ！誰かコイツを止めてくれェ！！」


しかし、誰も止めるものはいない。
というか、止める手段がないのだろう。
どうやって動かしてるかもわからないわけだ。
それに、二人の見られたくない写真というのに好奇心を擽られたというのも大きい。
慌てふためく二人を見て碧は無邪気にアハハと笑って、遠慮なくボタンを押した。


□□□


えげつねぇ……。
傍観してた者は長い絶句の果てに、やっとこさそんな言葉が浮かんだ。
あれから二人の画像を説明付きで強制的に見せられ、何故だが此方まで疲れきった気分だ。
当の二人は言わずもがな。
暫く石像のように固まって呆けたままの状態だった提督がやっと我に帰ってきた。


「……もう、お願いだから誰か早くあいつを処刑して……」


弱々しく懇願する姿は哀れで同情を買った。が、処刑されちゃう碧にはそんなの関係ない。

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