弐十弐 ページ22
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Aと土方の関係が良好に続き、暫く経過した頃だった。
「えっ…一番隊に異動…？
A、本当なの？！」
Aは松平直々に異動を言い渡された。
それは、古巣に帰れというお達し。
Aがこれほど待ち望んだことはないと言わんばかりに、すぐに千影に連絡を入れた。
彼女は自分のことのように喜んでくれた。
「まだ俺が居る時に連絡すんじゃねえ」
帰ったと思っていたはずの松平に携帯電話を奪われ、強引にAの腕を引かれる。
どうやら行先は彼の部屋らしい。
つまり、異動よりも重大な要件を伝えられるということだ。
重い扉を目の前にして、思わず喉が鳴った。
松平は硬くなるなとソファーに座るよう促したが、見下ろす眼差しに気が引けて未だ緊張したままだ。
彼は向かい合うようにして座り、壱枚の紙を机上に置く。
それは裏返されていて、Aの心臓の音を速めた。
「安心しろ。異動の取消じゃねえ。ちょっとした…お願いだ」
彼は押し付けるようにして紙を手渡した。
恐る恐る紙を捲り、思わず松平の顔を見直す。
「これ…は…」
印字されたのは、見合いの文字。
それも相手はよく知っている今の上司の名前だ。
「お前とトシができてんのは知ってる。
だが、この男の親っつうのが俺の世話になった奴でなあ。
上手く断れなくてなあ」
何となく上司が自分に好意を持っていることは分かっていた。
男の子が好きな女の子に意地悪するように、自分に仕事を投げ一緒にいる時間を作る。
そんな子供じみたやり方に辟易としていたが、上司ということもあり上手く交わしてきていた。
土方と恋愛関係になってすぐに異動してきたこともあり、指輪のような彼との揃いの物を身に着けていないせいか、恋人の有無を聞かれることもなかった。
それもそうだ。
どれだけ残業が長引いたところで家には一人。
時間を気にすることなく仕事に打ち込んでいる女の姿を見れば、安易に相手がいないのではないかと想像するだろう。
しかし、彼はプライドが邪魔して自分からAにその想いを告白することができなかった。
それが故に、今回の強行策を出ていたのだ。
「申し訳ありませんが、お断りし」
そう言うと、待ったと男は掌を見せる。
そして、大きく溜息をつく。
「お前らだってもう良い年だ。
そろそろ真面目に考えたっていいだろ」
つまり、女は人生の岐路に立たせられているということを松平は問うた。
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Nattu(プロフ) - amefurasi750さん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです;;銀魂のキャラはどの子も魅力的なので自分もそれをあまり崩したくない意識で書いていました^^どストライクとのお言葉嬉しすぎます;;本当にありがとうございました！ (2022年12月13日 0時) (
レス) id: 3f1ef1106e (このIDを非表示/違反報告)
amefurasi750(プロフ) - ありがとうございました！すごく心に残る話で、土方さんや沖田君たちの性格がそのままで安心して読むことができました！尚且つ土方さんと主人公ちゃんとのイチャイチャ具合がドストライクでした！ (2022年12月8日 8時) (レス) @page32 id: 0bed4b2b02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年9月1日 23時
