どっちがいい? ページ4
?「あー笑った笑った…」
男の子は落ち着いたのか、散々笑った挙句私の隣に座った。
『…というかどちら様ですか?私とタメくらいに見えますけど…』
その子の格好はというと、黒い隊服?に腰には刀を身につけていらっしゃる。
?「お前さては、田舎から出てきたばっかだろ。」
『え、なんでわかったんですか?』
?「そりゃあ、この江戸に住んでて真選組を知らない奴なんていない…『し、真選組?!』…おう…」
いくら田舎の方に住んでたってその名くらいは聞いたことがある。
あの…なんか……男だけのむさ苦しい集団……だとか。
『え、じゃあ君、その歳で公務員なの?』
?「まぁそういうことでさァ。」
驚いた……人の団子勝手に食う輩が公務員……ましてや真選組だなんて……
『一応聞くけどお歳は?』
?「18。」
おう……バリバリ同い年……
?「お前さんは?」
『…18です。』
ボソッと少し小さめの声で言った。だって……同い年なのになんか、全然違う……
というかこの子なんていう名前なんだろ…顔面 まぶいとか……いや流石にないか。
『あの……お名前は?』
沖「沖田総悟。」
へー沖田くんて言うのか。
『及川Aです。』
聞かれてないけどなりゆきで私まで自己紹介してしまった。
沖「ふーんAねィ……」
どこか遠くを眺めるようにそう呟く沖田くん。視線をたどると泣いている女の子が……泣いている?
女の子「う、うわーーーんママぁーーーー!!!」
どうやら迷子らしい。
私は慌ててその子に駆け寄った。
『え、えっと大丈夫?ママ探してるんだよね…?』
私の言葉にコクリと頷く女の子。
『あそこにお巡りさんいるから、一緒に探してもらおう。あ……それだと着物よごれちゃうから…』
涙を着物の裾で拭う女の子にハンカチを2枚差し出す。
『はい、ハンカチ。白とピンクどっちがいい?』
沖「んなもんどっちでもいいわ。」
『あ、沖田くん。いつの間に背後に…』
よいせっと立ち上がり、女の子の手を握って沖田くんに耳打ちする。
『あの……交番まで案内してもらうことは……』
何せ私は今日江戸に来たばかり。交番なんてどこにあるかわからない。
沖「……ついてきなせェ。」
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作者名:紺15 | 作成日時:2019年8月18日 0時