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キタキツネ15匹 ページ15

その日の帰りは、北さんと一緒に帰った。

三日ぶりくらいのはずなのに、なんだかとても久々な気がして、私はわざとゆっくり歩いた。



A「侑怒ってましたね」






先ほど、体育館に戻った時のことを思い出す。

北さんに「仲直りの証明ってどうしましょう?」と言ったら、「手繋げばいいんちゃう」と返ってきたので、手を繋ぎながら体育館へ戻ると冷やかしと歓声が飛んできて、



侑「Aが北さんと手を繋ぐなんて100年早いわ!!」



と、よくわからないお叱りを受けた。






北「もう、手繋がへんの?」


A「え‥‥‥‥‥?」




少しニヤッと弧を描いた北さんは、「残念や」と言いながら私の先を行く。




A「つ、繋ぎたいですよ!」





急いで北さんの元へ駆け寄れば、「ん」と言って手を差し出される。

あ、これ私から繋ぐやつなのね?

そう思うと、変に緊張しちゃって荒々しく手を乗せる。




北「フッ‥‥なんかお手みたいやわぁ」


A「犬じゃないですよ」


北「わかっとるよ」





繋がれた手が熱い。


恋人繋ぎをしている相手が北さんというのが更に熱を帯びさせる。


しばらく沈黙が訪れる。




北「そういや、昨日の放課後俺のクラスに来たんやろ?」


A「‥‥な、なんで知って‥‥」


北「侑から聞いた」





あの台風の日のことだ。

侑め、なんてことを‥‥!




北「そんであの時、聞いとったんやて?」





聞いたというのは「妹みたい」という発言のことだろう。もう今更あまり気にしてはいない。





A「‥‥はい」


北「あれ、少し訂正したくてな」



一瞬街灯に照らされて、北さんの無表情がいつも以上に神秘的に見えた。




北「俺一人っ子やったから、Aが恋人になって世話を焼くのが本当に楽しかったんよ。本当の妹みたいで。他意はなかったんやけど、ちゃんと彼女としても大事に思うとるから、誤解せんで欲しい」




なんか、今日は北さんの気持ちを全て聞いたような気がする。こんなに幸せでいいのだろうか。



無意識に笑っていたらしく



「なんで笑っとるん?」



という北さんの言葉に



「幸せだから」



と返すと




「俺もや」




と帰ってきたので、私たちは2人笑って街灯が並べられたアスファルトの道を再び歩き始めた。

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あさみ(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新待ってます!!頑張ってください! (2021年12月18日 20時) (レス) @page33 id: 2e88d3e072 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き気になります!更新待ってますー! (2021年11月9日 15時) (レス) @page33 id: 64e7de5949 (このIDを非表示/違反報告)
meちゃん - 終わりではないのですが、バグで完結と表示されてしまっています。気が向いたら更新するので気長に待ってください。 (2021年2月25日 4時) (レス) id: cb6de503e4 (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 何故、此処で終わりなのかわからない「(゚ペ)続き気になります!!更新する事を心より待っています。 (2021年1月12日 20時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 終わりなんですか?!続き読みたいですっ!! (2020年8月8日 6時) (レス) id: 20ff22750d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:meちゃん | 作成日時:2018年3月4日 12時

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