雨降る夜に待ち合わせを【桃】 (ページ47)

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結局、あの日のことを詳しく説明してくれた小瀧くん
　
　
女将「そんなことだったの、でもなんか運命みたいな連続ねあんたたち」
　
　
『あー、言われてみれば』
　
　
桐「ええな～、羨ましいわ」
　
　
『照史も雨の日コンビニ行ったらええやん』
　
　
桐「誰でもええわけちゃうねん！」
　
　
　
　
楽しそうに話す３人の横で意識が途切れる寸前の女が1人
　
　

「ねぇねぇ小瀧くーん」
　
　
『ん？どうしたん？』
　
　
「私、小瀧くんに言いたいことあるのー」
　
　
『なになに？』
　
　
「あのね、私さー・・・」
　
　
　
　
　
　

　
　

　
　
「・・・んんっ」

　
　
うわ、頭痛い
　

　
「あれ？家だ」
　
　
　
家にたどり着いた記憶がない
　
　
服は昨日出かけた時のままでベッド横にはバッグが置いてあった
　
　
　

携帯を確認しようとバッグを開くといつもと様子が違った
　
　
とりあえず詰めてみました、みたいなそんな感じ
　
　
何か無いものがあるのかも知れない
　
　
予感は的中した
　
　
小瀧くんのピアスだけ無くなっていた
　
　
　
　
「もしかして渡したのかな？」
　
　
　
まぁいいやととりあえず携帯を確認すると
　
　
小瀧くんからメールが入っていた
　
　

午前5時、こんな時間にメール？と思いながら開いてみると
　
　

”今帰り着きました
さっきは正直に話してくれてありがとう
俺の気持ちはまた改めて言うわ”
　
　
　
「正直に話？気持ち？」
　
　
　
何のことだか全く思い出せない
　
　

「ちょっとまって、もしかして私なんか変なこと言ったんじゃ」
　
　
　
” 私、小瀧くんに言いたいことあるのー ”
　
　
　
んん？！なんかそんなこと言った気がする！
　
　
　
え、何言ったの？私
　
　
思い出して私！
　
　
　

酷い二日酔いの頭ではどうにも難しい
　

　
記憶を飛ばすまで呑むなんて、
　
　
しかも小瀧くんの前で、
　
　
　
最悪だ
　
　
　
　
テレビ台の上に置かれた彼らのDVDが目に入る
　
　
　
　
「私は何を言ったの？」
　
　
　
　
そう呟いてパッケージを裏返した
　
　
　
　
　
　
また小瀧くんに返信できないまま、携帯を閉じた
　