雨降る夜に待ち合わせを【桃】 (ページ46)

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あれからみんなお酒が進み、時計は0時を指している
　
　
ほろ酔い気味の2人
　
　
桐山さんは女将さんとイチャイチャしてる
　
　
取り残された小瀧くんは私の方に体を向けた
　
　
　

『Aちゃん、さっきの質問やけどさ、何で電話折り返しくれへんかったん？』
　
　
「ん？何で、か」
　
　

　
緊張から呑むペースがあがった私は完全に酔っていて
　
　
ある意味何もかもを吐き出してしまいそうな勢いだった
　
　
それでも思っていることを口から出さないようにするのは難しかった
　
　
　
　
「小瀧くんは～、すごくかっこいいよね」
　
　
『どうしたん？急に、酔ってんな』
　
　
「ほんとにすごーくかっこいいと思うの！
でもね笑うと可愛くて、寝顔なんてもう、」
　
　
『あ、ちょ！』
　
　
「んん！」
　
　
　
小瀧くんは焦って私の口を手で塞いだ
　
　

女将「今横から聞き耳立ててたんだけどさ、2人は寝顔をみる関係なの？」
　
　
桐「えー？のんちゃん、どういうことなん？」
　
　
『いや、不健全なことは何もしてないですよ？！』
　
　
「っぷは！なにすんのよ！」
　
　
　
口にあった彼の手を剥がして、彼を睨む
　
　
　
『この間ご飯ご馳走してもらった時に色々あって』
　
　
女将「その”色々”が気になるわ」
　
　
『色々っていうのは、あの、話すと長くなるんすけど』
　
　
「私がお風呂入ってって言ったんですー」
　
　
「「『え？！』」」
　
　
『そこから話したらまたややこしいって～』
　
　
　
もう頭がうまく機能しない私は説明しようにもチグハグで
　
　
あとの2人を完全に混乱に落とし込んでしまった
　
　
　
「で、そのあと小瀧くん疲れて寝ちゃったんだよね」
　
　
桐「疲れて寝たって、何したんや！」
　
　
『いや、ほんまに何もしてへんって』
　
　
女将「Aちゃんが誘うようなタイプでもなさそうなのに」
　
　
『だから！ほんまに何もなかったんですって！』

　
「その時の寝顔が本当に綺麗で思わずキス、」
　
　

「「『キスっ！？』」」
　
　

『え？！Aちゃん、あの時俺にキスしたん？！』
　
桐「結構やるね～」
　
女将「したの？どうだった？」
　
　
　
「違うよ！キスしそうになったのー！」
　
　
　
私の問題発言を前に動揺する小瀧くんをよそに
　
　
あとの2人は少し残念がっていた
　
　
　
　
でも、あの時本当にあと少しでしちゃいそうだったんだよね・・・
　
　