52話 ページ9
トランクの中って狭いと思ってたけど、幼女体型になってみると、そうでも無いな。
車に乗せられ、トランクの中に寝っ転がりながら、そんな事を考えた。
「敦くんと鏡花ちゃん、大丈夫かな。」
何もできなかったのは私に力がないから。それは理解してる。
あの状況は、今考えたらどう足掻いても打開できなかっただろうなと思う。
「強くなれたらな…。」
例えば、私がもっと強かったとしたら。あそこで芥川さんから敦くんをひったくって、鏡花ちゃんを抱え、逃げることができたかもしれない。勿論、もしもの話だから、分からないが。
死んだ時、誰かを助ける側にって願ったのになぁ。
ずっと走っていた車が停止した。どうやら目的地に到着した様だ。しばらくじーっとしていたら、やがてトランクが開けられて、なぜか目隠しされました。
「なんで目隠しですか?」
「建物の構造を覚えられたら困る。」
幼女相手に随分警戒なさってる様ですねー。はぁ…。
まあここで暴れた所で私の味方なんて誰一人いないだろうから、大人しく言われた通りに歩くけど。
コツコツと、黒服さんと私の靴音が廊下(多分)に響く。
歩く、歩く、歩く…。
「ちょ、ここ広くないですか?」
黒服さんはそれには答えなかった。沈黙が続く中、歩き続けて約五分程…。
やっとどこかの部屋の扉が開けられて、目隠しを取られた。そこは敦くんが寝てる部屋くらいの広さで、椅子と机くらいしかない、殺風景な部屋だった。
目隠しを取ると同時に、携帯電話とナイフを渡すよう脅されましたので、携帯電話とナイフは今持ち合わせておりません。
ふふ…自家製小型手榴弾とトリカブトの毒の存在を誰にも知られていなくて良かった…。
こんな部屋では手榴弾使えないし、トリカブトは毒だから人間いないと意味ないし…。
黒服さんはどっか行っちゃったし。
あー、やる事無い。暇。
窓も無いー、椅子と机しか無いー。
本も無いー、なんにもなーい…。
勿論外にも出られなーい。外から鍵かかってるー。
「ていうか、ポートマフィアの方は私をこんな所に閉じ込めて何がしたいのやら。」
ここに敦くん達は多分いない。違う車に乗せられましたし…。
「私を捕まえた理由って何なんだろう。」
心当たり、無いんですが。
195人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - 78話のヒロイン達のお話の題名はどのような題名なのですか? (2019年6月12日 0時) (レス) id: 32e2eab4af (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今更ですが、女医で、せんせいと読む事にしておいて下さい…。 (2019年3月1日 11時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 鼠ちんさん» なるほど…。今後夢主ちゃんに毒を使わせるときはそうさせていただきます!調べて頂き、ありがとうございます! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
鼠ちん(プロフ) - 調べました所トリカブトに含まれる毒性物質の致死量は2~6mgだそうで、トリカブトが4mgでもこれだけの量が含まれている事が多いのでそこまで薄めることは専用の機材でもない限り不可能かと思いますの体重1kgに対し0.3mgの鈴蘭はいかがです?いや猛毒には変わりないですが (2019年2月26日 20時) (レス) id: 1616c0402d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今回の様によく知らないくせに使ってる…みたいな所がございましたら、どうぞ現実的なツッコミをいれてくだされば…。 (2019年2月26日 17時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年2月22日 19時