75話 ページ34
自分の机に戻ろうと、職場の扉を開いた。瞬間驚きの光景が。
私の机の周りを、他の社員(賢治くん除く)が取り囲んでいる。へ?と思った。
けれども、ナオミさんが『皆さんを呼んできます!』と言って出ていったので、不自然では無いのか。いや、でもこんな短時間で呼んでくるとはやはり驚きである。
「Aさんの秘密が今日判明ですわ!ナオミ慣れてはきたけれど、実はAさんの言動にやはり驚いていましたの。
何か秘密があるのでは?と思ってましたけど、やっぱり、ですわ!さあAさん、教えて下さい!」
興味津々といった感じ、早く聞きたいという感じでそういうナオミさん。それに頷く他の社員達。そんなに面白いものでも無いからがっかりされてしまうかなと思った。
あと、賢治くんがまだ帰ってきていないのが少々気掛かりだ。
「国木田さん、あの人達を送っていった賢治くんがまだ帰ってきて無いんですけど。大丈夫ですかね?」
「俺もおかしいとは思うのだが…。賢治は強いし、身の危険とかは無いだろう。ケロッと帰ってくるかもしれん。
いや、でも賢治に限ってそんなこと…。」
国木田さんも少々不安げだ。そんな中で話をするのはどうかと思うのだが。
「まあ賢治の事も気になるが、お前の事も気になる。さっさと話せ。」
そう言われたので、話す事にした。
「簡潔に言いますと、実は私、十八年生きてきたんです。いや、生きてたんです。」
「生きていた?」
「そう、生きてたのです。で、刺されて死んで気付いたらこんな姿で、聞いたこともない赤の他人になってました。以上です。」
皆の間にしばしの沈黙。それはそうか。非現実的だしね。…異能があるからどこまでが現実的なのかあやふやだが。
私の元の世界でいっちゃあ、人が虎になる、とかあたったら即死亡の黒いウネウネしたやつとかは非現実的な部類なんだけども。
「納得、ですわ。いや、まだ不可解な点はございますが。」
「うん、大方僕の予想通りだね。」
「じゃあAちゃんは僕と同い年なんだ。
え、お、同い年の子と一緒に住んでたの…、僕…。あ、あぁ…ご、ごめんなさい。!」
動き出した途端、皆が発した言葉に私はまたもや驚かされた。私の転生なんて異能が関与してない超常現象みたいなもの、もっと変なものの様に見るかと思っていた。
まず、信じないのかとも思っていたのに。
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あーちゃん(プロフ) - 78話のヒロイン達のお話の題名はどのような題名なのですか? (2019年6月12日 0時) (レス) id: 32e2eab4af (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今更ですが、女医で、せんせいと読む事にしておいて下さい…。 (2019年3月1日 11時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 鼠ちんさん» なるほど…。今後夢主ちゃんに毒を使わせるときはそうさせていただきます!調べて頂き、ありがとうございます! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
鼠ちん(プロフ) - 調べました所トリカブトに含まれる毒性物質の致死量は2~6mgだそうで、トリカブトが4mgでもこれだけの量が含まれている事が多いのでそこまで薄めることは専用の機材でもない限り不可能かと思いますの体重1kgに対し0.3mgの鈴蘭はいかがです?いや猛毒には変わりないですが (2019年2月26日 20時) (レス) id: 1616c0402d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今回の様によく知らないくせに使ってる…みたいな所がございましたら、どうぞ現実的なツッコミをいれてくだされば…。 (2019年2月26日 17時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年2月22日 19時