63話 ページ20
私の隣で棒立ちしているおまわりさんについて敦くんにきかれた。
「街を歩いてたら補導されかけまして。敦くんと一緒に住んでるから、敦くんの職場に送れっていったら、送ってくれたんですよ。」
敦くんが納得した表情をした。
四歳児が夜歩いてたら補導されました。多分普通なのだけれど…。
大分慣れてきたとはいえ、やはり中身十八歳としては複雑な心境である。
「えっと、うちのAちゃんがご迷惑おかけしました?」
敦くんにそんな事言われるなんて…。私迷惑なんてこの人にはかけた覚えありませんよ。声をかけられて、送ってあげるって言われたから大人しく送られてきたんです。
「いえいえ…。あの、えっと…。有川さんは、ポートマフィアに拐われたのですか?何故そんな事に…」
「あまり追及しないで下さい。本当の事を言っても、どうせ信じてもらえませんから。」
その事にかけては変な自信がある。やはり、中身十八歳の身としては、複雑な感じだが…。
こんな見た目のちびっ子が、ここで働いてますなんて言って誰が信じるだろうか。
多分誰も信じないと思う。
「えっと、じゃあ取り敢えずこの子の保護者というのは君かい?」
そう敦くんに尋ねるおまわりさん。
「保護者?あの…えっと…。同居人、ですね。」
「え?」
敦くん、そこは私の保護者って言ってくれたらいいのに。それで解決するのに。
やっぱりもうこの探偵社の中で、私を四歳児扱いする人なんて、いないのだろうか。
与謝野さんは私がコーヒー飲もうとしたら止めてくれるけど。
それくらいだよね…。
「おまわりさん、敦くんは家を出た私を拾ってくれた恩人なんです。
で、今は敦くんのところに住んでます。」
厳密には拾ったのは太宰さんなのだが、まぁいいや。
「家出?じゃあ親はいるの?」
「そこも、追及しないで下さい。」
いやぁ、武装探偵社の訳あり娘を補導するなんて、おまわりさん運悪いですね。
おまわりさん、上にどう報告しようかと思ってるのかな。さっき通信機で何やら誰かと話してたしね。迷子発見しました的な報告をしてたんだろう。
お困りのご様子のおまわりさんの所に、さっきまでキーボードを叩いていた国木田さんが近寄ってきて言った。
「えっと…この小娘は色々訳ありで、一応この探偵社の社員です。
その、信じられないと思うが上にはそう話しておいてください。」
補導した幼児が武装探偵社所属の訳あり小娘。
…なんか、ごめんなさいね、おまわりさん。
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あーちゃん(プロフ) - 78話のヒロイン達のお話の題名はどのような題名なのですか? (2019年6月12日 0時) (レス) id: 32e2eab4af (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今更ですが、女医で、せんせいと読む事にしておいて下さい…。 (2019年3月1日 11時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 鼠ちんさん» なるほど…。今後夢主ちゃんに毒を使わせるときはそうさせていただきます!調べて頂き、ありがとうございます! (2019年2月26日 20時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
鼠ちん(プロフ) - 調べました所トリカブトに含まれる毒性物質の致死量は2~6mgだそうで、トリカブトが4mgでもこれだけの量が含まれている事が多いのでそこまで薄めることは専用の機材でもない限り不可能かと思いますの体重1kgに対し0.3mgの鈴蘭はいかがです?いや猛毒には変わりないですが (2019年2月26日 20時) (レス) id: 1616c0402d (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ麻呂(とよ)(プロフ) - 今回の様によく知らないくせに使ってる…みたいな所がございましたら、どうぞ現実的なツッコミをいれてくだされば…。 (2019年2月26日 17時) (レス) id: 06dfc878d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましゅ麻呂(とよ) | 作成日時:2019年2月22日 19時