62.守護 ページ12
モブside
「多分悪霊と人間の区別がつかねぇほどの霊感の
持ち主だ。」
エクボの言葉に、やっぱり、と少し悲しくなった。
Aは霊感のある体質だった。
僕も、そのことに気が付かなかったわけじゃない。
だからこそ、以前僕はAにエクボのことを
視認できるのか問い詰めたことがあった。
彼女は頑なに否定していたし、なんだか聞いて
ほしくないみたいだった。
それが嘘だということはわかっていたのに、
僕はAの気持ちを組んで納得したフリ
をしたんだ。
Aには超能力も霊能力もない。
だだの仲のいい同級生なんだって、認識した。
……そんなわけがないのに。
「律、一旦Aから離れて。この部屋に悪霊が集まってきてる。Aを狙ってるんだ。」
「でも……。」
「慌てんな。俺様にいい解決法がある。」
Aの目の前に浮かぶエクボはなんでも
ないことのように言う。
「俺様がAに憑依すんだよ。そうすりゃ
とりあえずAの肉体は安全だ。その間にお前
ら超能力者が周りの霊を蹴散らすってわけだ。」
俺様を信用すればの話だけどな、と悪い顔をして。
……本当なら、そんな危険なことを認めたくは
ない。けど、確かに今集まってきている霊たちは
強者ばかりだ。
「何言ってるんだエクボ、そんな危険なこと……」
「律、任せよう。」
「兄さん！でももしもエクボがそのまま
のっとったりしたら！」
「大丈夫だよ。……大丈夫。」
何かを言おうとして、それを飲み込む律。
ごめん、律。でも、信用するしかないんだ。
エクボが憑依すれば、今、Aが
どういう状況に置かれているのかも分かる。
意識はあるのか、あるとすれば何を見ているのかも。
「そこのガキはいいのか？俺様憑依しちゃうぜ？」
「さぁな、律の兄貴に任せるよ。大丈夫ってんなら
大丈夫なんじゃねぇの。俺はお前のことなんにも
知らないから判断できない。」
鈴木くんの意見も聞いて、エクボはようやく
憑依することを決心したみたいだ。
その間にも悪霊は寄ってくる。
僕達は除霊に専念しなくちゃならない。
「憑依！！」
エクボのその声が部屋に響いて、そのまま
彼はAの体に消えて行った。
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みかん - 面白いです！続き気になる…更新待ってます！ (2月7日 23時) (
レス) @page19 id: 460144ffaa (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのバカ - めっちゃ好きです！続きが気になります！ (2023年1月10日 11時) (レス) @page19 id: 04cd5210b5 (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - すみません…面白すぎます…。嫉妬すら出来ないレベルで…続きまってます！大好きです！！ (2022年12月30日 17時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - ものっすごく！お話面白くて素敵です！更新待ってます！高評価とお気に入り登録させていただきました！ (2019年3月24日 11時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - えぇ、めっちゃ気になる… (2019年3月6日 23時) (レス) id: ee202a18ba (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年8月18日 23時
