可愛い山本くんは私の彼氏です。短編集

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･sgi


年上なのに須貝さんのほうが
甘えてくることが多い。ほら今も。
「…須貝さん、これじゃお仕事できない」と
背中に引っ付いて離れない須貝さん。
「両手は動くでしょ？ほら仕事仕事！」
できるにはできるけど、首元に擦り
寄ってくるもんだから、擽ったくて仕事が
全く進まない状態なのである。が、しかし。
「早く仕事終わらせたら、今日は
Aをたくさん可愛がってあげるから！」
そういう彼にムズムズしながら、甘やか
されるために手を動かすのだった。


(甘やかしてくれる、とは言ったが
結局私が彼を甘やかしているのでは？)



･kwkm


スキンシップが少ない私たちカップルは
私があることをすることで多くなる。
「山本くん！ この漢字なんて読むの？」
「んー？それはねぇ……」
「こうちゃん！歴史教えて！」
「うん、いいよ〜」そう、嫉妬大作戦。
後のことを考えたらそれはそれは、大変な
ことになるけど。家に帰ると、まず
正面からハグされる。
「…なんで俺じゃなくてあいつらと喋るん？
しかも距離近いし、」と分かりやすく
妬いてくるのだ。彼、可愛いでしょ。
「だって拓朗妬かせたら、スキンシップして
くれるでしょ？」と意地悪く言うと、
「…お前、この後覚悟しいや」と
ガチトーンで言われた時は、この世の
終わりかと思うくらいびびったけど。


(この後、ちゃーんと優しく抱かれたとか
抱かれてないとか。)



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