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Camellia,Pink ページ5

*




「…ねぇ、よしくん。」



山本「んー」



「ねぇってば、」



山本「もうすぐで終わるから。」



「それ、30分前にも聞いたよ。」



山本「…もうちょっとだけ我慢して。」



「……よしくんなんて、大嫌い。」



山本「………は?」




かれこれ2時間ぐらいパソコンと
にらめっこしていた僕。



たった二人きりの部屋で、Aを放置したのが
間違っていたのかもしれない。



日々、彼女の大好きという言葉で、
頭は尽くされていたし、それなりに僕の仕事を
理解してくれていたから、少しは大丈夫だろうと。



だが、それは単なる僕の甘えだったのだと、
今の状況になって分かった。



体育座りをしたAは、
目に薄ら涙を浮かべて、僕を見た。




山本「A……?」



「……ごめんね、お仕事邪魔して。
いいよ、続けて。」



「…大事な彼女が泣いてるっていうのに、
平気で仕事に戻れる彼氏なんている?」




Aは、強がりだ。



どんなに忙しかっただろうと、
少しでも彼女に時間を割くべきだった。



こんなにすぐ傍にいるのに、僕は……



隅っこでうずくまってる彼女の名前を呼んで、
そっと抱き締めた。




「…よしくん、」



山本「…ほんとに僕のことが嫌いなら、
本気で突き飛ばしてよ。…でも、どんなに
僕のこと嫌いでも、Aこと、
手放す気なんてないから。」



「……ごめんなさい。よしくんが忙しいって
分かってたのに、わがまま言って困らせて、
挙句には嫌いだなんて、最低だった。」



山本「…ううん、僕が悪いんだよ。
Aの優しさに甘えすぎてた。
こんなに我慢してたなんて、全然気づけなかった。
ほんとにごめん。…彼氏失格だよね、」



「それは違うよ!……人一倍努力家だし、周りの人への配慮も怠らないよしくんは、
世界で一番かっこいいよ。」




Aの暖かい言葉に、涙が零れそうになった。



……これからはAのために、
出来る限り一緒にいて、沢山の愛情を
注いでいくつもりだ。




__薄い唇に、キスをして



また新たに歩きだそう。



僕の隣にいる恋しい人のために。




おまけ。



「…よしくんって、キス長いよね。」



山本「……そりゃあ、Aのことが大好きだからに決まってるでしょ?」




顔を真っ赤にしたAが、
すっごく可愛かった件について。




Camellia,Pink:

「longing.(恋しく思う)」

Evening primrose.番外編→←Agapanthus.



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ラキ(プロフ) - 本人の目に止まらないように、本人以外はymmtのように表記した方が良いと思います。作品はとても面白かったです。 (2020年6月12日 23時) (レス) id: 57e82cbdf4 (このIDを非表示/違反報告)
み く(プロフ) - おーちゃんさん» 直しました! (2019年11月18日 8時) (レス) id: a43638a5bb (このIDを非表示/違反報告)
おーちゃん - なんか拓朗と拓郎がありましたよ(番外編)拓朗にすべてした方が良くないでしょうか? (2019年11月18日 7時) (レス) id: 23068de1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドルフィン | 作成日時:2019年8月14日 18時

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