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「 ひーくんって一目惚れしたことある？ 」
小銭を再び投入して、今度はカフェオレを買った。砂糖とか牛乳とか入ってる、甘いやつ。
ガコン、と落ちてきたペットボトルを拾い上げながらそう尋ねると、ひーくんは急にどうした、って驚いた顔をする。
「 なんとなく 」
「 なんだそれ、笑 一目惚れした？ 」
「 いや……それが、分かんなくて 」
ワンチャンそうかもってカフェオレを一口飲めば、マジか意外、ってまた驚いた顔。
そんなひーくんも、隣の自販機で財布から150円取り出して、紙パックのココアを買ってた。
「 あるよ、俺。一目惚れしたこと 」
「 え、まじ？ 」
「 マジ。嘘ついてどーすんだよ 」
「 そりゃそうだけど 」
自販機近くのベンチに並んで座って、それぞれ買った物を口にする。
「 あるよ、っていうか、現在進行形なんだけど 」
「 ぅえぇえ 」
「 驚き方独特かよ笑 」
いやいや。だって、全く予想してなかったからビックリじゃん？
ひーくんが一目惚れしたことあるのも、好きな人がいるのもさ。
「 どんな感じなの、一目惚れ 」
「 どんな感じ、って言われてもなあ 」
ほら少女漫画とかではさ、その人を見た瞬間目の前がキラキラ、パチパチしたとか、世界がスローモーションになった、とか色々あるじゃん。
実際のとこ、どうなんだろって。
「 俺の場合は、一目見た後でずっと頭から離れなくて。あ、これってそういうことか、って 」
「 その場じゃなくて後々自覚した感じ？ 」
「 そう 」
「 なるほど、 」
一目見た後、ずっと頭から離れない。
……ってそれ、今の私と同じ、なような。
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「 なんか分かった？ 」
「 ……、多分？ 」
「 多分かよ笑 」
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いや、多分っていうか。
つまりこれって、一目惚れってことじゃん。
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作者名：紺
| 作成日時：2023年4月24日 15時
