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「 会えないのほんとしんどい 」
『 たった二日じゃん 』
「 されど二日だもん 」
私の言葉に、はぁ、って電話の向こうで分かりやすく大きな溜息を吐くきょも。
松村くんの事好きになって初めてやってきた土日は、死ぬほどつまらない。想像以上に。
昨日とか、自分が何してたか記憶ないぐらいぼーっとしてたし。
そういう時に限って早く目が覚めるから、日曜日の今日は朝からきょもに電話掛けてみた。
嫌そうにしつつも私の話に付き合ってくれる彼は、ほぼ間違いなく暇人だ。
……とか言ったらもう話聞いてくれなくなりそうだから、言わないけど。
『 Aが早いとこ連絡先交換しなかったからじゃん 』
「 うっ 」
『 してたら会えない日も話せるのに 』
「 ご最もで… 」
正論ぶつけられると何も言い返せないのよ。
あぁほんと、ちゃんと連絡先聞くべきだった……。
『 てか、同じバス停で会うんなら同じ地域に住んでるってことでしょ？ 』
「 あー、一応？バス停からの方向真反対だけど 」
『 ならその辺ほっつき歩いてたら会えるんじゃね？ 』
「 いやそんな奇跡起きないでしょ 」
『 ワンチャン 』
「 ワンチャンね… 」
俺もいつまでもAに構ってらんないから、それで暇潰ししなよ、って電話ぶち切られた。
おいおい、優しいのか冷たいのか分かんないな、京本さんよ。
( その辺ほっつき歩くか…… )
手当り次第にも程があるけど、まぁ確かに、暇潰しには最適なのかもしれない。
実際、バス停の向こう側は歩いて行ったことあんまないし。
バスで通り過ぎるから普段から見てはいるんだけど。
「 ……もし、松村くんに会えたら 」
紺色のハーフパンツを脱いで、お気に入りのシンプルな白Tの上にグレーのサロペットを着る。
……念の為ね。
バッタリ会う、なんて事があった時の為に、一応ましな格好しとかないとね。
( どうせなら髪も巻いちゃおっかな〜 )
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作者名：紺
| 作成日時：2023年4月24日 15時
