46話 ページ24
黒川が帰った十分後、玄関のチャイムが鳴った。こんな朝っぱらから鳴らす奴なんて一人しかいない。
「よ!行くぞ学校!」
制服に着替えた黒川だ。前の学校指定だったんであろう鞄を肩に担いでドアの前に立っていた。
「十分で学校行ける道、教えてくれ!」
教えてくれ、という言葉で俺の脳裏にある、俺の代名詞でもある『あの』スイッチが入った。
沖「教えてもらうってのにその態度か?」
ニヤリと笑ってしまう。恐らく黒いだろう。
「あー…ドSスイッチ入ったか…十分で学校行ける道教えて下さーい(棒)」
黒川の得意なゆっくり以上の棒読み。でもそんな喋り方で満足するような俺じゃない。
沖「心を入めて、なおかつご主人様って言え」
「あ、そうくる?えーと萌え袖できない…まあいいや十分で学校行ける道教えて下さいご主人様っ!」
体の後ろで手を組み体を少し左に傾けてにっこり笑う。ポーズなどからしてパソコンの中の水色の髪色をしたツインテールの女だ。こういうのをはずかしげもなくやるから俺としてはつまらない。
沖「チッ…つまんねェ…もう少し恥じらいってモンを知れよ…流石女子力のねェ女でィ」
「女子力あるけど!?私料理できるけど!?ってもうこんな時間!行くぞ沖田!」
沖「お、おう」
・
俺も黒川程じゃないけどつらかった中学時代。
俺は世界一不幸な人間だと思っていた。
だけどもっとつらい思いをして人を信じれなくなったやつが目の前にいる。
たまに本当に人間不信なのかって思うぐらい無邪気なときがあるけど。
ねェ姉上。貴方がいなくなってから大切な人がいなくなって寂しかった。
貴方を振った土方を恨んだ。
だけれども。
黒川が現れて、気が向いたから俺に過去の話をした。
ひねくれてて、変わってて。姉上とは真逆で女っぽくなくて。心穏やかな人間じゃなくて。
でも俺にとっちゃあ大切な人だ。
あのときに聴いていた音楽が気になって話しかけてよかった。
剣道部の誘ってよかった。
好きなものが合ってよかった。
ガラじゃねェけど……………………好きなんだ。
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riru(プロフ) - 狐桜華さん» かわいいですよね! (2014年3月10日 1時) (レス) id: 5c2d18922c (このIDを非表示/違反報告)
狐桜華 - ゆっくりって良いですよね♪ (2014年3月10日 1時) (レス) id: 5b088f07bc (このIDを非表示/違反報告)
波音(プロフ) - ミリーさん» あ、すいません(´・ω・`) (2013年11月16日 0時) (携帯から) (レス) id: 0d33f97ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ミリー - 37話の最後らへんの沖田のセリフです (2013年11月15日 22時) (レス) id: 49648e0741 (このIDを非表示/違反報告)
ミリー - 無理が無料になってます。これめちゃ面白い (2013年11月15日 22時) (レス) id: 49648e0741 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:riru | 作成日時:2013年10月5日 18時