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乾が首を傾げると、Aは楽しそうに彼を見て笑った。
「柿ピーを持ったイヌピー。」
Aの言葉に、彼の隣に立った九井が吹き出す。
大寿はくだらなそうに笑うと、九井達に声をかける。
大寿「今日はもう帰っていいぞ。」
乾「わかりました。ホラA、コレ。」
「ソレはイヌ君のおやつだから、持って帰っていいよ。ココ君にはコレね。」
九井「おーサンキュ、って…唐揚げ味のプリッツマヨネーズ風味…」
「なんか美味しそうだったから。」
九井は差し出された箱を手に取り、どんな味なのか想像し、複雑な表情を浮かべる。
失礼します、と二人がリビングを出て行くと、そこは大寿とAだけの空間になった。
Aはチョコレートの箱を開け一粒摘まむと、大寿の口元に運ぶ。
「ハイ、大寿君。」
大寿「ん。」
大寿は大人しく口を開け、チョコレートを受け入れる。
咀嚼する彼を眺めながら、Aも同じく一粒頬張ると、そうだ、と言って大寿を見上げた。
「大寿君、"好き"って10回言って?」
大寿「また10回クイズか。やらねぇぞ。」
「いいじゃんお願い!ね?」
大寿は懇願するAにチラリと目を向けると、軽く息を吐く。
そして指を折りながら、指定された単語を数え始める。
大寿「好き好き好き………ホラ、言ったぞ。」
「へへっ、私も〜。」
大寿「…阿呆か。」
大寿が呆れた様子で頭を押さえると、Aは嬉しそうに彼の胸に頬を擦り寄せる。
大寿はそれを引き剥がそうとはせず、暫くの間大人しく頬擦りされるのだった。
_____
数日後、Aは母の作った料理を両手の保冷バッグいっぱいに持ち、大寿のマンションへと向かった。
玄関には見慣れない靴が複数並んでおり、客でも来てるのかと考えながら、Aはリビングに繋がる扉を開ける。
中へ入りAが目にしたのは、東卍の特攻服を着た三ツ谷と八戒。
そして先日大寿に殴られた花垣と見知らぬ少年が、大寿達の向かい側に立っているというものだった。
三ツ谷と大寿に至っては、立ち上がって握手をしている状態で、それを見たAは嬉しそうに二人に駆け寄る。
三ツ谷「えっ、A!?」
「大寿君、タカちゃんとお友達になったの?よかったね!」
大寿「んな訳ねぇだろ。」
大寿は手を離すと、ソファに座り背もたれに腕を置く。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時