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大寿の母の葬儀が終わり数ヶ月後、Aは柴家を尋ねた。
「大寿君遊ぼー。」
大寿「遊ばねぇ。」
口ではそう言うものの、大寿はAを家へと上げる。
中へ入ると、顔や身体に傷を付けた柚葉と八戒がいた。
Aが驚いて駆け寄ると、二人は泣きそうな顔で彼女を見上げる。
「二人共どうしたの!?なんでこんなに怪我してるの!?」
大寿「躾だ。」
黙っている二人に代わり、大寿が口を開く。
大寿は柚葉に近付き、彼女の髪の毛を掴んだ。
柚葉「痛っ…」
「何してるの!?」
大寿「柚葉…玄関の靴、揃ってなかったぞ。」
「大寿君!」
Aは柚葉から大寿の手を離すと、柚葉を抱き締めた。
大寿「邪魔すんな、これは柴家の問題だ。」
「でも、」
大寿「お前には関係ねぇだろ。」
「関係なくないよ!」
Aは柚葉を離し立ち上がると、大寿の前に立つ。
「私は大寿君のお嫁さんになるんだもん!柚葉ちゃん達は私の妹と弟になるんだもん!」
大寿は一瞬目を見開くが、すぐに顔を顰めた。
大寿「ふん…そんなの、言ってるのは今だけだろ。大きくなったら忘れるに決まってる。」
「忘れない!絶対に大寿君と結婚する!」
大寿「…大人になっても変わんなかったら、考えてやる。」
「言ったね!?言質取ったからね!?」
Aは大寿に詰め寄ると、嬉しそうに抱き着いた。
大寿「するとは言ってねぇ!考えるって言っただけだ!オイ聞け!」
大寿はAを引き剥がそうとするが、彼女はしっかりとしがみつき、離れる気配がなかった。
_____
とある日、Aが学校の帰りに公園脇を歩いていると、木登りをしようとしている中学生がいた。
猿の真似でもしているのか、などと考えながら通り過ぎようとすると、ニャーという小さな鳴き声が聞こえた。
聞こえた方に目を向けると、そこには先程の中学生。
よく見れば、中学生の視線の先には震えた子猫がいた。
「お兄さん、何してるの?」
聞けば、彼が公園を通りかかった際子猫が驚いて、一目散に木に登ってしまい降りれなくなったという。
中学生「元はと言えば俺が驚かせたのが原因だし、助けてやりてぇんだけど…」
なかなか登れない、と照れた様子で彼は笑う。
Aはランドセルを下ろすと、自分を抱き上げるよう彼に言った。
「お兄さんが抱っこすれば、丁度いい高さになると思うんだ。」
中学生「ナイス!よし、じゃあ行くぞ?」
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子持ちししゃも(プロフ) - うささん» コメントありがとうございます!大寿君夢ではありませんが、他にもいくつか書いていますので、お時間がある時に読んでいただけると嬉しいです🤗 (5月10日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 大寿の夢は初めて読みましたが、めちゃくちゃキュンキュンしてます🥰!!これからも頑張ってください! (5月10日 6時) (レス) @page50 id: 7104e26302 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (2023年5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時