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1994年、柴大寿・柴田A、共に五歳。

母親に連れられ、ファミレスで初対面する。

大寿の母親の腕には男児が抱かれていて、名を八戒。
そして彼の母と大寿の間にはおかっぱ頭の女児、柚葉が座っている。

どちらも大寿の兄弟だ。


"目がキリッとしていて、かっこいい"

それが、Aが彼に対して思った印象だった。


大寿母「ごめんねぇAちゃん、この子睨んでるわけじゃなくて緊張してるだけだから。」

「大丈夫!ねぇおばさん、大きくなったら大寿君と結婚してもいい?」


母親二人はAの言葉に一瞬固まるが、所詮子供の言う事。
年頃になればすっかり忘れるだろうと、軽視していた。


大寿母「いいわよ〜、大寿の事よろしくね。」

母「本当にそうなったら面白いわねぇ。」


Aはニコニコと大寿を眺めるが、彼は対照に、眉を顰めながらAを見ていた。



それから一年後、大寿の母親は病にかかり、A達親子は入院先へと見舞いに向かった。


大寿母「大寿、Aちゃんのママとお話するから、ちょっとだけお外出てて。売店でお菓子買っていいから。」


大寿はお金を受け取ると、Aと手を繋ぎ病室を出る。

売店に着くと、大寿はAに何を買うか尋ねた。

Aが茎わかめを手に取ると、大寿は首を傾げる。


大寿「それ、いつも食ってるけどうまいのか?」

「おいしいよ、食べてみる?」


建物から出て、敷地内のベンチに座り袋を開けると、Aは茎わかめの入った小袋を大寿に渡す。


「どう?おいしい?」

大寿「ん、まぁまぁだな。」


ふと笑顔で見つめるAに気付き、大寿は目を向ける。


大寿「なんだよ?」

「大好きな人が大好きな物を食べてくれて、嬉しくって。」

大寿「…変なヤツ。」



二人はおやつを食べ終わると、病室へと戻った。

母親達は話が終わったようで、二人が帰ってくると笑顔で迎え入れた。

Aは、母二人の目元が赤くなっている事に気付いたが、大して気にもせず椅子に座る。


Aちゃん、と大寿の母親が彼女の頭を撫でる。


大寿母「これから大寿の事、よろしくね。おばちゃんね、Aちゃんの事、本当の娘だと思ってるの。」

「任せて!大寿君の事、幸せにしてあげるから!」

大寿母「…!ありがとう……大寿、Aちゃんの事、守ってあげてね。」


大寿の母はそう言って、二人を優しく抱き締めた。


その二ヶ月後、大寿の母は息を引き取った。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 柴大寿   
作品ジャンル:アニメ
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時

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