呪術師とヤンキー【東リべ】【呪術廻戦】

2 ページ3

？「キヨマサー、客が引いてんぞー。」


声がした方に目を向けると、金の辮髪で背の高い男がいた。

彼は東京卍會副総長、龍宮寺堅。通称ドラケン。

そして後ろからは小柄な、ハイトーンベージュの髪色をした男が、口をもぐもぐとさせながら付いて来ていた。

この小柄な男こそ、東京卍會の総長、無敵のマイキーこと佐野万次郎だ。


二人が現れた途端、その場に居た男たちは数名を除いて一斉に頭を下げた。


「「「お疲れ様です！！総長！！」」」


武道を殴っていた男＿キヨマサが龍宮寺に腹を蹴られたが、佐野はそちらには見向きもせず武道に近寄った。


佐野「お前、本当に中学生？」


佐野は武道にそう言うと、彼に友達宣言をして立ち上がり、キヨマサを蹴り上げてから髪を掴み顔面を殴る。


数発殴り相手が気を失うと満足したのか、返り血の付いた笑顔で「またね」と武道に声を掛け帰って行った。


二人が姿が見えなくなると、そこにいたギャラリーもぞろぞろと帰り始めたので、Aは流れに逆らい階段を降りて行く。



「花垣武道君。」


Aが声を掛けると武道はポカンとし、その友人たちは驚いた顔でAを見た。


山岸「さ、さささ七種A！！」

武道「え、知ってんの？」

千堂「はぁ？お前、同じクラスだろ？」


動揺する彼らを他所に、Aは自分のウエストポーチから絆創膏と消毒液と取り出した。


「こっち向いて下さい。」

武道「は、はひっ！」


Aは傷口を消毒しながら、軽く反転術式を施す。

その上から絆創膏を貼ったので、傍目には傷が消えている事はわからなかった。



「はい、出来ましたよ。」

武道「あ、りがとう……あの…」

「何ですか？」

武道「えっと、その…何でコレ、やってくれたのかなって…。」



武道は、自身に貼られた絆創膏を指差しながら言った。

その問いに、Aはニコリとだけ笑う。


そして立ち上がると、"また明日"と言ってその場を後にした。



＿＿＿Aが帰った後。


鈴木「いいなぁ武道ぃ〜、あの七種さんに絆創膏貼ってもらって〜。」

山本「武道、七種さんと仲良いの？」


盛り上がる友人たちを見て、武道は困惑していた。

何しろ先程まで、七種Aという人物が同じクラスにいた事すら忘れていたのだから。


山岸「七種って綺麗だけど、いつもニコニコしてて何考えてるかわかんねぇよな。」


そこがまたいいんだけど、と言う山岸を見て、武道の頭は未だハテナでいっぱいだった。

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す