親愛なるパパへ【黒尾鉄朗】

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まだ4歳のAにどう伝えるべきか

俺は両親といろいろ話したけど


Aには全部伝えてやることにした。



「……ママ、パパ、かえってこない？もう、ずっと会えないの？」


衝撃が大きすぎたんだろう。

それからAは全然飯も食わねえで

一言も喋らねえで


ただただ窓の外を見つめていた。

待っていたら帰ってくるんじゃないか、

そんなとこだろう。



Aにとって祖父母である俺の両親とも

口を利こうとしなかった。



問題は、Aを誰が引き取るかだった。

もちろん、俺の両親が引き取るつもりだったのだが


「A、じーちゃんとばーちゃんと一緒に暮らすか？」



Aは頑なとして首を縦を振らなかったからだ。

俺の両親とAはたまにしか会っておらず

きっとあんまり慣れていないんだろう。



そんなAが唯一口をきいたのが俺だった。

たぶん、小さい頃から面倒見てたし、

あの日も一緒にいたからだと思う。



Aは誰よりも大事な存在を失った


Aのそばには

支えてやれるヤツがいないといけない。



Aの嫌がる俺の両親が引き取ったとして、

Aは幸せに過ごせるだろうか。



俺は、

兄ちゃん達が愛したAを、

兄ちゃん達の代わりに支えてやりたい

Aが幸せになれるように育ててやりたい





「……A、俺ん家くるか？」



俺が

Aを。


そう、強く思ったから。

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