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今日の部活が終わり、

時間を確認する。

ミーティングが少し長引いたせいで

いつもより終わるのが遅くなってしまった。



「あざした!!」


体育館に叫んで

俺は急いで保育園に向かう。


少し暗くなり始めている空には

黒い雲がかかっていた。



……やべ、雨降りそう。



保育園についた瞬間、

泣き声が聞こえてくる。

……Aだ。


俺は急いでAのもとに走った。




「あの、すいません。黒尾です」

俺が声をかけると

Aは顔を上げてその表情を明るくさせた。




「てつ、ろー!おそい、よっ!!」

そう言って一目散に飛びついてくるA



「わりぃ、ミーティングが長引いてた」

「も、来ないかと、おもった……!」


「来るに決まってんだろーが」



そう言ってAの頭をグチャっと撫でる。

あの日も

ずっと待ってたのに兄ちゃん達は帰ってこなかったから。



俺がいつもより遅いからそれを思い出して怖くなったんだろう。



「すいません。A、大丈夫でした?」

「ずっとお兄さんのこと呼んでましたよ」



そう、先生に言われた。

あー、そっか俺、ここではAの兄として通ってるんだっけ。



「あー、すみません。ありがとうございます。じゃ、」



ペコリと頭を下げ、Aの手を掴む。

Aの小さな手が少しだけ震えている気がした。




「……A。今日もオムライス、作ってやっからな」

「……、うん!てつろー、きてくれてありがとう!」



保育園を出た帰り道、

俺は自転車を押して


俺とAは隣を並んで歩いた。




「A、何があっても迎えにいくから不安になんなよ?」


「うん。うん!てつろーはAのこと大好きだもんねえ!」

「あたりめえだろ。Aも俺のこと大好きだもんな?」



もう一度、頭をポンポンと撫でてやると

Aは嬉しそうにクシャッと笑った。


なんか、本当の親子みたいで

ちょっと、嬉しかった。

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妄想夢豚 - 待ってやばい泣きすぎたこんなに泣いたの【君の膵臓をた◯たい】の映画見て以来だ! (2018年8月16日 14時) (レス) id: cbad54000a (このIDを非表示/違反報告)
えーすらぶ(プロフ) - なんでだろ…何回読んでも涙腺が機能しない… (2017年8月5日 16時) (レス) id: 9061695b3b (このIDを非表示/違反報告)
星売り屋(プロフ) - 涙線がぁあ!感動しました!これからも頑張って下さい!くっこの小説の良さを伝えきれない自分に腹が立ちます! (2017年1月4日 10時) (レス) id: 219465c9fb (このIDを非表示/違反報告)
鬼灯。(プロフ) - いい話だね涙がポロポロ出ちゃった。°(°`ω´ °)°。 (2017年1月4日 3時) (レス) id: 7a0b665db0 (このIDを非表示/違反報告)
リリス(プロフ) - 久しぶりに泣いた! ボロボロ涙が溢れて、涙が落ちるまで自分が泣いてるって気づけませんでした(笑) (2016年12月14日 21時) (レス) id: 77b715be7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こもちこんぶ | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年12月7日 17時

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