We'll be alright!! (ページ6)

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Wonwoo ページ6

「ヨソ島」
「ヒョン知ってます？」
「初耳です」
「右に同じ」
「韓国人なのに？」
「……ははは」
「笑ってるよ……」
「よろぶ～～ん」
ミョンホの呼び掛けに応えるフリをして誤魔化す。韓国人だって知らないことはあります。
「はいウォヌヒョン、Aヒョン」
ミンギュから受け取った乗船チケット。ヨソ島行き。
「ヨソ島はどこ？お外ぅ～ッフフフ…」
「ヒョン、ギャグ言うならもっと声のボリュームあげて下さい。単純に不気味」
「すまん」

キャリーケースを転がしながら乗り場に向かう。(3人分の荷物だからやたらと重い)
Aヒョンと話しながら歩いていると、前方から不穏な声が聞こえてきた。
「ジュニ何事？」
「携帯と財布回収だって」
「出たよ……」
渋々鞄から取り出してスタッフの持つ袋に入れる。そして配られた不吉なビニール袋。雲行き怪しすぎてもう既に目の前が真っ暗だ。
『これから1分差し上げるので生存キットを作って船に乗り込んでください！』
PDの声に全員が口を開けて固まる。視界の端でハニヒョンとAヒョンだけが光の速さでキャリーケースを地面に倒した。

「袋が小さすぎる！」
「ボノニそんなのいいからパンツを入れなさいパンツを！」
「おいお前らダウンは着ろ！」
「えーい、何が素敵な日だっっ」
「ディノヤ！パンツ入れたか？！」
やいのやいの言いながら必要なものを袋に押し込んでいく。Aヒョンに至ってはやたらとパンツにうるさい。
『3、2、1 はい終わり！乗船してください！』
無情にも時間は過ぎ、荷造りは強制終了。意気揚々と乗り込むジョンハニヒョンの後から殆どのメンバーがわけも分からぬままに必要最小限の荷物を抱えてヨソ島行きの船に掛け込んだ。
「なんなんだよこれ？！」
「あ！俺たちのスタッフ乗ってないぞ！」
スンチョリヒョンの声に一斉にターミナルを振り返る。家族同然に過ごしてきたはずのスタッフ達が「いってらっしゃ～い」と呑気に手を振っていた。
「いってきまーす！」
「ヒョン何でそんな呑気なの？！」
「まあ始まっちゃったもんはしょうがないじゃん。スンチョリが言っただろ？どんなに大変な状況でも俺たちが楽しめば楽しいものになるって」
ヒョンのちょっと変わった性格が、もしかしたら今回の前途多難な旅で役立つかもしれない。
「楽しくやろうよウォヌ。きっと宿くらいはあるって！」
希望に満ちた目でそう俺を励ましたヒョン。彼が数分後に船酔いでダウンすることになるとは、この時まだ誰も知らない。