Jisoo ページ5
怪しい雰囲気のまま食事を終えてバスへと乗り込んだ。向かう先は船着場。不吉なキーワードを言うたびに配られた酔い止め薬はここで役立つようだ。
「Aヒョン!」
「はーい」
「Aテスト!」
Aヒョンの隣に座るスングァンが悪い笑顔でカメラを向ける。さっきからジョンハンとソクミンとしているテストをやらせたいようだ。
「スングァン、ドギョム、ジョンハン?」
「んー、ディノ」
「僕もAヒョンですー!」
「愛してるよ、マンネ〜」
後ろの席から飛んできた声に返すとスングァンが拗ねたように口を尖らせる。
「えーい。3人の中から〜」
「ヒョンは年下を選ぶからお前だよ」
ジョンハンの言う通りだ。ヒョンは年下に甘い。
「それじゃつまらないじゃないですかー!」
「選ばれるのに?」
「本心で選んでください」
「なにもうお前、欲しがるね」
Aヒョンがニヤリと笑うとジョンハンとソクミンがケラケラと笑い転げた。
「じゃあヒョンが女の子だったら誰と付き合いたいです?」
「えー」
「はいヒョン達も目瞑って手出して」
意気揚々と手を出すブソク。ジョンハンはしょうがないとそれに付き合って手を伸ばす。
「これ選ばれたくない場合あるんじゃない?」
「俺選ばれたいです!」
「ヒョン、大切にするよ〜」
天井に届きそうなほどの勢いで手をあげるソクミンと、甘い声を出すジョンハン。
「ヒョン、僕にします?」
「ジョシュアヒョンはダメ!」
茶々を入れてやろうと前の席に顔を出すとスングァンに一蹴されてしまった。
「うーーーーん」
「早くー」
「……ドギョマ、そこ替わってくれる?握りたいけど手が届かない」
Aヒョンの言葉にブソクがハッと目を開けて絶望的な顔をした。
「やっぱり、ハニA〜」
「なんということ…………」
「Aヒョン、信じてたのに……」
ああは言ってもスングァンは自分が選ばれると思っていたんだろう。あからさまにへこんでいる。
「僕今日日記に、信じていた兄をひとり失くしたって書く…」
「弟を失って、兄も失う日……」
「やめてやめて。2人とも可愛い弟だよ」
「だから付き合う対象には見れないってさ」
ジョンハンが得意げに言う。
「まあ僕は需要がわかる男ですから」
「businessですね」
僕がヒョンの言葉に補足すると、ジョンハンがハッとした顔をした。
「あー!悪い男ー!」
「ごめんねジョンハナ。別れる日までは大切にするよ」
「酷ぇー!!」
こうしてまた親友の日記に悲しい一文が増えたのだった。
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作者名:岡田 | 作成日時:2017年4月15日 9時