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膝上丈のAラインワンピース
緩く巻いた髪
ヒールは低めのブーツ
トイレの姿見で確認した自分の姿は完璧で、自分が思っていたより浮かれていた事に驚いた。
『なんでオシャレ…しちゃったんだ…』
当然のようにSelly好みの格好をしている自分を絶望的な気持ちで見つめるが、今更帰れない。
いやいや、韓国から帰ってきてから、洋服を買い足してなかったから…
べつに…元々こーゆーカッコ…すきだし
待ち合わせ場所への道中、ブツブツと心の中で文句を並べてみるも、全部無意味だった。
諦めて向かった先にはロングコートにモコモコのマフラーを巻いたSellyが立っていて。
それを見ただけで全てが吹き飛んでしまったから。
(ぐ…相変わらず、私の好みドストライクな見た目してる…)
そんな無責任な心の声は漏らす訳にはいかない。
ん゛ん゛、と咳払いをしてから「お待たせ」と小さく声をかけた。
「おー、来たか。」
そう告げた彼は私の頭のてっぺんからつま先までをゆっくりと観察している。凝視、と言っても過言ではないその様子に居た堪れなくなって『な、なんですカ…』と問えば、Sellyはふっと表情を和らげた。
「ん、可愛いじゃん」
目元を緩めて笑う彼にドキリと胸が跳ねる。
その動揺を隠すように彼から目を逸らした。
『…そ。』
こんなに冷たい態度を取っても、彼は「ふふ」と笑っているだけ。
調子が狂うなんてもんじゃない。
この暴れ回る心臓をなんとか鎮めなきゃいけないのに、Sellyは更に私に爆弾を投げつけてくる。
「ん」
『…うん？』
目の前に差し出される大きな手。
本当に意味がわからず、『なに？』と尋ねながら見上げた。そんな私の様子にクスクスと笑いながら、彼は当たり前のように首を傾げる。
「手、繋ぐしないの？」
『…っ！つつながないです！！！！』
「…嫌なの？」
『…うん』
そっか。
そう呟いた彼はさっさとその手をポケットにしまい、踵を返して歩き出してしまった。
一瞬見えた彼はひどく寂しそうに笑っていて、私も寂しくて泣いてしまいそうだった。
だから会いたくなかったのに。
会ったらお互い辛いだけなのに。
もう、戻れない。
なのに、思い出だけなぞるなんてお互い残酷だ。
この空白の2年を無かったことにしようとする彼も、それを許さない私も。
2人とも大馬鹿野郎なのだ。
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ならか(プロフ) - にやけ止まらんくて焦る (2月14日 18時) (
レス) @page30 id: 72407f8835 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - Arce_さん» ありがとうございます！彼らのafter storyは少し書けたらとは思ってます！お褒め頂いてありがとうございます！ (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 青い目の宝石さんさん» ありがとうございます！褒めて頂いて本当に嬉しいです〜！！！ (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
Arce_(プロフ) - 読んでて楽しかったです！完結寂しいですが、おめでとうございますTT♡ (10月1日 4時) (レス) @page30 id: c41d959350 (このIDを非表示/違反報告)
青い目の宝石さん(プロフ) - 完結おめでとうございます！！めちゃめちゃ面白くて見やすかったです！！(о´∀`о) (10月1日 0時) (レス) @page30 id: c88fb3b6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2023年9月18日 13時
