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頭痛で目が覚めた。明るい窓の外を見て立ち上がろうとしたが、目眩がして出来なかった。
言わずもがな二日酔いである。
(あたまいたい…)
ふと隣を見ると、キャンベルさんはまだ眠っていた。昨夜この人に抱かれたことを思い出すと、その顔を直視出来なかった。
す、と目線を逸らした途端、腕を握られる。
「ぁ、おはよう…ございます……」
「おはよう、…なんで敬語なの」
「あー、いや、何となく…」
目を覚ました様子のその人に心拍数が上がり、つい普段はしない敬った話し方をしてしまう。握られた手が熱いのは、
(寝起きで体温が高いだけ…眠いせい…眠いせいだから)
「Aさん、昨日可愛かったね」
「は、やめてくださいよ…ていうか、キャンベルさんこそ。その、思ってたよりもずっと、ぅ、うまいし」
「はは、褒めてくれて嬉しいな。」
ゆっくり上体を起こした彼の髪は寝癖で跳ねていて、
(か、かわいい…)
でも、
「本当に私なんかと寝て良かったの？…好きな人のことは」
彼の気持ちが心配になっておそるおそる訊けば、少しの沈黙。考えるように真面目な顔つきになったまま、こちらを向いたそのひとは、
「…うん、僕は大丈夫だよ。好きな人ってAさんのことだし。」
平然と。平然とへらりと笑ってそんなことを言ってのけた。
はぁ、と。一瞬理解できなかったけれど、言葉が腑に落ちた途端とんでもない羞恥に襲われた。あつくなった顔を隠す余裕すらなく、
「え、は、ちょっと、…え、いつから」
「もうずっとだよ、ずっと前から。君が僕に男の話をするのを、いつも嫉妬しながら聞いてた。僕ならそんなことしないのにって」
「………っ、それ以上言わなくていいから」
「まあ、酒に酔わせてこんなことをする僕もひどいよね。はは、Aさんてほんとに男運ないね。」
「や、言われなくてもわかってます…えと、」
言葉が見つからなくて困っていれば、頬に手を添えられて。反射的にそちらを向けば、いつにも増して色っぽい顔のキャンベルさん。
「恋人になってくれる？」
「わ、わたしで良ければ…」
「ふふ、Aさんってほんとにチョロくてかわいいね」
「う、るさい…」
今年は男運上がるといいね？と笑われたので、「男運、今年はあるかもしれない」と、また少し思わせぶりな台詞を吐けば、
「…よく回る口だね、塞ごうか？」
なんて、口ではそういいながら。あまり見せてくれないであろう照れた顔でキスをしてくれた。
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33円の民 - 文才の塊ですか？とても素敵な作品ありがとうございます。 (2021年12月20日 21時) (
レス) @page10 id: a4e0508ccb (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん - やだ皆だいしゅき。作者様に感謝感激雨あられ…！ (2020年2月26日 20時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - アネモネさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！ハマリたてのジャンルなので拙い部分も多いですが、よろしくお願い致します！ (2020年1月6日 14時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 星押そうとしたら既に投票済みって出てきて辛い...めちゃくちゃ尊かったです... (2020年1月6日 12時) (レス) id: f6f59e365f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こめこ | 作成日時：2020年1月5日 0時
