4 ページ5
…なんで異能のことバレてるの?おかしい、この人、普通じゃない、なに、本当に。
「それで、君は今まで異能に頼りきりだったのかな?」
「…はい」
「なら今回は相手が悪かったね。あと、下手な演技は辞めた方がいい。やるならもっと上手にね。」
初対面なのに、どうしてこんなにずばずばと隠してきたことを突かれるのだろう。
怖い、と思う反面、すごい。と、どこかで尊敬してしまっている自分に腹が立った。
「変なことを言ってごめんね、始めようか。」
その人は何故か謝ると私の頬に手を添えて接吻をした。ちゅ、ちぅ、と唇に触れたり吸ったり。優しいと感じる接吻だ。
瞑っていた目をそっと開けると、目が合った。ダメ、とでも言うかのようにすぐに手で目を覆われ、仕置きだとでも言わんばかりに舌を入れられた。
口の中にある
今夜はそれが出来ない。私の初めては、この人に貰われるのか。おっさんじゃなくて良かった。
「考え事しない、ほら、こっちに集中して」
耳元で声がした。目はまだ覆われたままだ。そっとベッドに押し倒されて、するり、とバスローブの紐が解かれた。
シュルシュルという衣擦れの音と共に何かを抜き取る音が聞こえる。それがネクタイだと言うのは数秒後にわかった。その布で目隠しをされたからだ。
何をされるんだろう、わからないから少し怖い。
417人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こめこ | 作成日時:2018年4月28日 22時