【文スト】短編ぶっ込み (ページ1)

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帰る場所ページ1

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僕には、帰る家が二つある。

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といってももう一つは週に一回程度、呼ばれた時に行く。

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『敦。今日家に来て欲しい』

芥川のぶっきらぼうな声が電話口に響く。

「なんで？」

理由によっては、お断りをしなくてはならない時がある。また、異能特務課社員寮で待っている鏡花ちゃんのためにも、この話はきちんと聞かなくてはならない。

今日は蛍光灯などの買い物のようだった。実際、
『両側給電、直管。φ30㎜、18型、色温度は3000k、消費電力は36Wを買ってきてくれ。会社はｼｬﾆｰだ』
と、一度聞いただけでは覚えられないような注文をしてくる。

「えっちょっと待って」
僕は慌てて机の雑紙とペンを引っ張り出す。

『………』

「もう一回言ってくれない？」
芥川の言葉を聞きつつメモを取る。

書き終わり、席を立つ。特務課の廊下を歩きながら、鏡花ちゃんにメッセージを送る。

敦今日は芥川の家に行ってくるから、夜ご飯はいりません
19時02分既読

すぐに既読がついた。今しがた携帯端末(スマホ)をみていたのだろう。

鏡花そう。わかった。気をつけて帰ってきてね
ㅤㅤㅤㅤ19時02分

鏡花から返信が返ってきたことを見届け、異能特務課を出て、電車に乗り込む。
外はもう真暗で、繁華街のネオンが映える。敦は扉に寄りかかり、外を眺める。

ガタガタと心地よく体が揺れる。敦は目を閉じかけた。

『次は〜横濱〜横濱〜』

扉が開き、東京と又違った空気が流れ込んでくる。

敦は横濱駅に躍り出た。
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