ポートマフィア本部楼閣 ページ26
1、
『侵入者ヲ発見。直チニ抹殺セヨ』
芥川と鏡花の二人が楼閣に入って最初の敵は自律動作型散弾銃である。
人員不足か?(否、そんな事は無い)
「異能力、夜叉白雪!」
「異能力、羅生門!」
二人はそれぞれ自分の異能を呼び覚ます。
一瞬で入口は地獄と化した。この中で生命を保てる人間はいない。
夜叉の刀は銃弾を引き裂き、羅生門はいろんな物を始末していく。
芥川と鏡花に銃弾が当たることはない。
乱歩さんから貰った地図には地下室への行き方も詳細に綴られている
「入って直ぐ、右の方の扉……」
芥川が云い乍ら右の扉の方に近づいて行く。
そして、扉を破壊した。
ㅤㅤㅤㅤ○
その様子を液晶画面で見る太宰。
「計画通りだ。もう私には止めることもできないね……」
掠れた声で通信機に語りかける。
「敦君。“彼”の前に出てやってくれ……」
太宰がその答を聞くことはなかった。
そこに居たのは____自分とそっくり、いや、同じ顔、体型をしたあどけなさの残る少年。
「君が敦君?」
そりゃそうだ、と答える。
「君の所為でね、僕のただ独りの友達、いや、パートナーが死んでしまったんだよ」
「そんなこと、僕は知らない!」
「言ったって無駄。僕は、、、芥川の為に復讐する。君は、復讐される運命を背負っている!」
「そんなこと、誰も望む筈がない!本当にお前の芥川は復讐を望んでいるのか?」
「絶対望んでる!」
力任せに、“偽”敦が壁を叩く。放射線状にヒビが入り、破片が散る。
続け様に頬を殴られる。口唇から血が散る。喉に血の味がして、咽せる。
敦はそのくらい必死になれる理由が____わかった。
恐怖だ。
「君にはいっぱい友達がいるけどね、僕には芥川しかいないんだよ。それなのに殺された」
腹を殴られる。意識が一瞬飛ぶ。
「君は幸せ過ぎだ。見返りは、『死』だ」
そうだろうか?
孤児院で何度も辛い思いをした。
骨が折れるまで殴られ、ずっと永遠じゃ無いかと思う程懲罰室で罰を受けた。穀潰し。と罵られた。呪縛じみた言葉は毎晩夢の中で僕をうなす。初めて異能が目覚めた時、僕は人を殺していた。
『負』が僕の周りに絡みつき、輪郭を際立たせる。
探偵社に入ってからは必要性が襲ってくる。
それでも僕が耐えたのは何故か。
「だって僕は生きたかった」
答が口唇から漏れる。
目の前にナイフが振りかざされる。
もう___終わりだ。
「敦!」
誰かが飛び込んできた。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時