武装探偵社 ページ16
1、
「……おい! ……起きろ! 敦! 大丈夫か?」
声が聞こえた。ぶっきらぼうで冷たいが、そこには優しさを秘めている声。聞くと安心する声。
急に体が持ち上がった。肩と腰に全体重が委ねられている。敦は少し目を開けた。敦の視線の先では、芥川が無表情で歩いていた。周りの景色は玄関。だが、芥川の顔が心なしか紅くなっているように見えた。
敦は理解した。自分の置かれている状況、芥川の顔が紅く染まっている訳を…お姫様抱っこだ。完全に状況を理解した敦も頬が紅く染まってくる。赤い頬を隠すかのように芥川の服に顔を埋めたが、
ここからは、自分と違う匂いがしてまた頬が紅くなる。恥ずかしすぎて、小さい声でつぶやいた。
「……ん……お姫様抱っこ……やだ……ぎゅってする……抱っこして……」
芥川が困り顔になる。だが、敦はお構いなしに芥川の首に手を回し、腰に足を回して自分の体を芥川にピッタリとくっつけた。芥川の手の暖かさが全身から伝わってくる。せっかく二人きりなのだからおちょくってやる。
芥川はそんな敦の可愛い思考を読んだのか、
「変なこと考えるのであれば、抱っこしないぞ!」と、言った。
流石に芥川の機嫌が悪くなってしまっては危険なので渋々自分の足で歩くことにした。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時