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希望へと繋ぐ言葉 6 ページ30

*


「上杉、手貸して」



「!」





 小塚に導かれ、上杉は彩の手に自分の手をのせる。

 さらにその手の上を、小塚の手が包み込んだ。





「大丈夫だよ、アーヤ」



「…ああ。
 俺たちはわかってる。
 大丈夫だ」



「……うん…、うん……」





 優しさが伝わる。

 温もりを感じることができる。

 大丈夫。

 大丈夫。

 伝わっている。

 ここには、嘘でも世辞でもない、真実があることを。





「二人に話せてよかった。
 頼れる男の子が傍にいてくれて、すごく嬉しい」





 彩が心から微笑んだところで、無情にもチャイムが鳴り響いた。





「あ、もう行くね。
 じゃあ、また」





 嬉しそうに階段を駆け下りていく彩の背を見つめ、小塚と上杉はほっと息を吐く。

 もう彼女は、ここで逢ったばかりの時のような、憂鬱な空気を纏ってはいない。いつも通り、常に前を向いて頑張ろうとする『立花彩』の姿だ。

 その目映い輝きに眼を細め、小塚は呟くように言う。





「アーヤって大きいよね。
 考え方っていうか、話した相手に与えるパワーっていうのか…。
 僕、いつもアーヤがキラキラして見えるよ」



「同感。
 あいつの身長とか、意味ない。
 それをわかってない奴らの方が、小せーよ」





 でももしかしたらこんな言葉も、相手を傷つけてしまうのかもしれない。





「国語ってやっぱすげー難しい。
 俺、一生不得意かも」



「僕も。
 …でも、上杉の言いたいことならわかる」



「俺も、小塚の言いたいことはわかるぜ。
 でもこれって、国語じゃなくね?」





 きっと、言わなくても分かり合えること。

 願わくば。

 彼女がこの先も、傷つくことのないように。

 もし何かあったとしても、すぐに彼女を護れるように。





「じゃ、俺たちも戻るか」





 二人肩を竦めて苦笑し、元来た道を引き返した。




  FIN





*

あとがきという名の言い訳→←希望へと繋ぐ言葉 5



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ハナ(プロフ) - 面白いです!とっても面白いです!!パスワードは出来れば全て解除して欲しいです。これからも沢山沢山作品書いてください!!!楽しみに待ってます! (2020年3月4日 12時) (レス) id: 15d87cdcea (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こまさんの作品、どれもすごくいいですね。ところで最後に書いてあった「真実の気持ち」の続編をぜひ書いてください!!(それとも、もうあるんですかね…?)いつもこまさんの作品を楽しみにしているので、これからもぜひ続けてください。 (2019年8月7日 17時) (レス) id: 6a44c88143 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こまさん» いえ。それなら私で良ければ愚痴聞きますよ!こうゆうの慣れてますし。 (2019年4月6日 6時) (レス) id: 3a49a3167f (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - yurikaさん» ありがとうございます(≧▽≦) (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 彩さん» す、すみません。いつもながらかなり落ち込みました。学びません…こういうの本当に苦手。ここを逃げ場にしてしまいました。落ち着いたら書きますね (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こま | 作成日時:2018年2月19日 23時

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