希望へと繋ぐ言葉 3 ページ27
*
「そうそう。
女子は身長低い方が可愛いし。
アーヤももうそれ以上伸びなくていいと思うぜ」
「!」
「若武!」
「あ、いや、だから俺は悪気があって言ったわけじゃなくて…」
「…………」
彩は立ち上がり、未開封のままだった飲み物を手に取る。
そのままカフェテリアから出ていく彩は、背後から呼ばれる声に振り向くことをしなかった。
若武に悪意がなかったことは彩にもわかっている。
黒木が一般的な常識と比較して疑問に感じたことも、特に悪いことではない。
学校でのことを暴露した美門も、何気ない話題の一部だったのだろう。
だが、彼らにはわからない。
平均とか、女子だからとか、そんなことは関係ない。
彩には彩の理想があり、望みもある。
それが叶わないかもしれない不安な気持ちなど、第三者にわからないのは当然のことなのだ。
彩に注意を促した教師もそうだった。若武たちにしたのと同じ理由を伝えた後、教師は苦笑して彩の肩をたたき『そうか、すまなかった』と謝ったのだ。その謝罪の言葉の方こそ、彩が傷ついたとも知らずに。
(みんな、きらい…っ)
牛乳だって飲んでいる。好き嫌いなんてしていない。
勉強しなくてはならないから睡眠時間は少ないかもしれないが、遊びたいことを理由に不摂生な生活なんてしていない。
彩は彩なりの努力をしている。
それなのに…。
*
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ(プロフ) - 面白いです!とっても面白いです!!パスワードは出来れば全て解除して欲しいです。これからも沢山沢山作品書いてください!!!楽しみに待ってます! (2020年3月4日 12時) (レス) id: 15d87cdcea (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こまさんの作品、どれもすごくいいですね。ところで最後に書いてあった「真実の気持ち」の続編をぜひ書いてください!!(それとも、もうあるんですかね…?)いつもこまさんの作品を楽しみにしているので、これからもぜひ続けてください。 (2019年8月7日 17時) (レス) id: 6a44c88143 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - こまさん» いえ。それなら私で良ければ愚痴聞きますよ!こうゆうの慣れてますし。 (2019年4月6日 6時) (レス) id: 3a49a3167f (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - yurikaさん» ありがとうございます(≧▽≦) (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 彩さん» す、すみません。いつもながらかなり落ち込みました。学びません…こういうの本当に苦手。ここを逃げ場にしてしまいました。落ち着いたら書きますね (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こま | 作成日時:2018年2月19日 23時