期末前の日常風景 3 ページ18
*
「先週の勉強会はサッカーの試合が忙しくて中止だったし、先々週までは理科や社会が中心だったもんね。
数学のことが気になっててもアーヤが何も言わないから、上杉なりにやきもきしてたんだよ、きっと」
「…もう黙れよ」
うん。でも言わないと、アーヤが誤解するから。
僕は自分が正しいと思ったことを言うようにしてる。この三人でいる時は特にね。
「…ごめんなさい」
アーヤが小さな声で上杉に謝った。
「上杉くん忙しいんだろうなって思ってたから、お願いし辛くて…」
「…別に、こっちのこととか、気にすることねーよ」
「気にするよ」
大会で勝ち進むためにハードな練習が重なっていたから、本当に大変そうだった。
たしかに僕だって、あんな上杉に何か頼むことなんてできなかったと思う。
「けど…だったら、小塚に聞けばよかっただろ。
小塚だって、数学の成績悪くねーんだから」
上杉の言葉に、僕もアーヤも『え?』と驚いた。
「別に、俺抜きで勉強会やってればよかったじゃねーか」
「……」
「……」
「…なんだよ?」
なんだって言われても…。
「そんなこと…」
「思いもしなかった」
僕の言葉をアーヤがすぐに引き継いでくれた。
だよね。
僕たち、上杉抜きで勉強しようっていうことを、まったく考えてなかったんだ。
「は?
別に、三人一緒じゃねーとダメとか決めてないだろ」
「決まってないけど、なんとなく…」
「うん。
なんとなく…」
ダメとか、そういうんじゃない。
ただ、イヤなんだと思う。
この三人でいるのが楽しいから、三人一緒がいい。
そう思うのが、自然なことだったから。
*
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ(プロフ) - 面白いです!とっても面白いです!!パスワードは出来れば全て解除して欲しいです。これからも沢山沢山作品書いてください!!!楽しみに待ってます! (2020年3月4日 12時) (レス) id: 15d87cdcea (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こまさんの作品、どれもすごくいいですね。ところで最後に書いてあった「真実の気持ち」の続編をぜひ書いてください!!(それとも、もうあるんですかね…?)いつもこまさんの作品を楽しみにしているので、これからもぜひ続けてください。 (2019年8月7日 17時) (レス) id: 6a44c88143 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - こまさん» いえ。それなら私で良ければ愚痴聞きますよ!こうゆうの慣れてますし。 (2019年4月6日 6時) (レス) id: 3a49a3167f (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - yurikaさん» ありがとうございます(≧▽≦) (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 彩さん» す、すみません。いつもながらかなり落ち込みました。学びません…こういうの本当に苦手。ここを逃げ場にしてしまいました。落ち着いたら書きますね (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こま | 作成日時:2018年2月19日 23時