甘いお菓子と初めての気持ち 12 ページ12
*
「ねぇ、上杉。
僕先に食べたいんだけど」
「俺も、同じこと思ってた。
立花、頼む」
え、ええ? もう?
何も勉強してないのに、いいのかなぁ。
なんて思ったけど、実は私も食べたくてたまらなかったの。
ケーキを出して、ナイフで3センチくらいの厚さに切っていく。
2切れずつお皿に乗せて、二人に渡した。
「ど、どうぞ…」
「……」
「……」
あれ?
なんで、何も言ってくれないの?
「…えっと…もしかして、オレンジ苦手?」
恐る恐る聞くと、二人が力強く首を振った。
「違−し!」
「好きだよ、オレンジ大好き!」
「それじゃあ…、ど、どうぞ…」
「……」
「……」
なんで、また無言なのー?
「…どうしよう…」
「ああ、わかってる」
? わかってるって…なにが?
首を傾げた私に、小塚くんが言う。
「アーヤの手作りって思ったら、感激しちゃって」
さらに上杉くんも。
「今までなかったのに、いきなりこんなすげーのが出てきたから、よけい驚いたっていうか…」
上杉くんが珍しく口籠っていて、小塚くんも頷いてる。
そんなに驚かせちゃうようなことだったのかな。
でも確かに、以前の私なら作ったりしなかったかもしれない、なんて思ってしまった。
「二人のために作ったの。
不味かったら残していいから」
「「残さない!」」
……。
そんな大きな声で、二人揃って言われたら恥ずかしいよ…。
「あの…そろそろ、食べてくれる?」
私を見て、二人はうっと喉を詰まらせたような顔になった。
…あれ?
なんでそんなに、二人とも顔が真っ赤なの?
*
甘いお菓子と初めての気持ち 13→←甘いお菓子と初めての気持ち 11
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハナ(プロフ) - 面白いです!とっても面白いです!!パスワードは出来れば全て解除して欲しいです。これからも沢山沢山作品書いてください!!!楽しみに待ってます! (2020年3月4日 12時) (レス) id: 15d87cdcea (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - こまさんの作品、どれもすごくいいですね。ところで最後に書いてあった「真実の気持ち」の続編をぜひ書いてください!!(それとも、もうあるんですかね…?)いつもこまさんの作品を楽しみにしているので、これからもぜひ続けてください。 (2019年8月7日 17時) (レス) id: 6a44c88143 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - こまさん» いえ。それなら私で良ければ愚痴聞きますよ!こうゆうの慣れてますし。 (2019年4月6日 6時) (レス) id: 3a49a3167f (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - yurikaさん» ありがとうございます(≧▽≦) (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 彩さん» す、すみません。いつもながらかなり落ち込みました。学びません…こういうの本当に苦手。ここを逃げ場にしてしまいました。落ち着いたら書きますね (2019年4月6日 1時) (レス) id: 49dba501f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こま | 作成日時:2018年2月19日 23時