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*
「次、どこ行くの?」
無意識に唇を尖らせて訊くと、二人はプッと笑った。
「本当にわかってねーよな」
「やっぱりアーヤは最強だよ」
「…?」
だから、二人で視線だけで通じるような会話はやめてよ。
って声にするより早く、小塚くんが検索を開始し始める。
「どこがいいかな?」
流れるように指で操作している小塚くんのスマホを、私と上杉くんものぞき込む。
場所の名称を見ても、ここから近いのか遠いのかはわからない。
それでつい、写真の方に視線が行っちゃう。
あ…、それ…いいな。
「綺麗…」
「どこ?」
「この写真」
そこは、宇宙空間のようなイルミネーションが照らされていた。
青の洞窟とはまた違った美しい世界が、一枚の画像から伝わってくる。
「六本木か。近いな」
「ルートは?」
「ここからだと…一度戻った方がいい」
戻る?
「原宿駅?」
「いや。
地下鉄。でも、原宿駅のすぐ近く」
「じゃあ…もう一回、ここを通って戻れるの?」
「うん、そうだね」
わーい。
私は再び、二人と手を繋いだ。
「また一緒だね」
えへへ。
嬉しい。
「……なんか、ここを行ったり来たりしてるだけでもいい気がしてきた」
「激しく同意」
…?
「どうしたの?」
首を傾げると、二人が困ったような顔をした。
「あー、えっと…」
「自分が考えるより子供染みてるなって、ちょっと反省してるとこ」
「うん。
僕もそれ、同じ気持ち」
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三輪車(プロフ) - いつも素敵な作品をありがとうございます。こまさんのお話大好きです! (2021年12月21日 22時) (レス) id: 22eda808b2 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - hanaさん» ありがとうございます(#^^#) (2020年3月5日 21時) (レス) id: c47ae97c9e (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - Precious KZのシリーズ大好きです! (2018年6月5日 14時) (レス) id: be288b1025 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - こまさん» 有難うございます。前回の私のボードに書き込ませて頂きますね、有難うございます* (2018年3月19日 10時) (レス) id: 43f070c562 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 清霞さん» こんにちは!連絡遅くなりました。返信遅くなりますが、ボードでのお話OKです。ちょっと今バタバタしていて、お待たせしてしまってすみません。入試お疲れさまでした(*^。^*) (2018年3月16日 17時) (レス) id: f7bf63d22e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こま | 作成日時:2017年12月19日 22時