噂と誤解と擦れ違いの真相〜後編〜

５　彩 ページ5

*


「はい、ここまで。

　各自しっかり復習しておけよ」





　チャイムギリギリまでしっかり講師の言葉を聞いて、皆が席を立つ。

　この後の休み時間は長いから、それぞれお弁当を食べたりしてるんだよね。

　私は最近食欲がないから、予めママのお弁当を持ってきていない。

　今日はどうしようかな…。

　教室には居たくない。あの噂話が、耳に届かない休み時間はないから。

　でも、カフェテリアに行くこともできない。

　…そういえば、今はトイレで食事してる子がいるって、ニュースになってたことがあったな。

　ぼっち飯を見られたくないって理由らしいけど、『トイレ』っていうのは衛生面で絶対私には無理。

　一人になりたいって気持ち、わからなくもないんだけどね。





「はぁー……」





　椅子はないけど、また階段の奥に行こうかな。

　あの場所なら死角になっていて、誰かが通りかかることもないから、ちょっとでも気を休められるんだよね。

　立ち上がると、一瞬クラッと眩暈がした。

　そういえば、頭痛、止まないな…。

　あまり食べられないから貧血なんだろうってわかってるけど、今はどうにもできない。

　家に帰ったら、少しでも何か食べなくちゃ…。





「ねぇ」





　カロリーメイト…も、実は胸が苦しくなるんだよね。

　やっぱりゼリー飲料を買って…。





「ちょっと、聞こえてるの？」


「無視してんじゃねーよ！」


「！」





　突然肩を掴まれて、ビクッとした。




*

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