15 彩 ページ15
*
「…とりあえず今日のところは、この場だけで止めておくよ。
ただし、条件がある。
裏サイトの方も、君たちが無責任に流した噂も、終息させること。
一週間経っても何も変わらないようなら、被害届は今度こそ提出する。
警察と学校と、家族。
正規な権利の通報だけでも、相当な事件だ。
今度は君たちの名前がネットで晒し者になるだろうことを忘れずに対処してくれ」
「「「……っっっ…」」」
名前を言い当てた時ほどではないけど、黒木君の言葉はかなり怒気が含まっていた。
う…、彼女たちの嫉妬の視線とは比べものにならない程怖い…っ。
「それから、二度と上杉に近づかないって約束するんだ。
そうでないと、俺でも今の上杉をKZに留める説得ができなくなる。
…ああ、彼女にも近づかないように。
嫌がらせなんてしたら、俺にはすぐわかるよ。
その時こそ、君たちは本当に罪の報いを受けることになるんだ」
最後の言葉が、一番重圧的な声になっていたのは、私の気のせい?
彼女たちは泣きながら去って行き、私たちはホッと息を吐いた。
「アーヤ、大丈夫だった?」
「うん。
ありがとう、黒木君。
上杉君も…」
二人に改めてお礼を言いながら、ハッとする。
そうだ、先にこれだけは確認しておかないと…!
「上杉君、…サッカーチームKZ、辞めないよね?」
「……」
「辞めたりしないよね?」
念を押したけど、上杉君は微妙な表情で私を見てる。
どうしよう。もし、辞めることになってしまったら…。
以前若武がトップ下を外された時、サッカーチームKZを感情で辞めてしまったことがあった。
冷静って言われている上杉君だって、美麗の事件の時には、探偵チームKZを辞めるって言った。
男の子にはそういう激しい感情があるっていう共通な証なのかもしれないけど、でも、それだけは止めたい。
一時の感情で動いてしまったら、絶対後悔するから。
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ooooooooo - 感動しかないわ!!!!! (2022年2月20日 22時) (レス) @page45 id: 5ba6c307c9 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - 言葉では、伝えられないくらい感動しました。軽い気持ちで、読むつもりだったんですが物凄く夢中になりました。とっても面白かったです!!! (2021年8月24日 15時) (レス) id: 77a3f18b6f (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - やっぱり、上彩サイコー!最後めっちゃ照れました!こま☆さんのこと、いつまでも応援しています!!! (2020年9月7日 19時) (レス) id: 8d0e213ce6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 本当の小説として、本になってほしい!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
Mayu - 上彩大好き上杉君推しにはありがたいです。これからも頑張ってください応援します!! (2019年6月9日 23時) (レス) id: c3d92851e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こま | 作成日時:2016年5月10日 15時