噂と誤解と擦れ違いの真相〜後編〜

１　彩 ページ1

*


　昨日、ＫＺの集まりがあったのに、行けなかった。

　上杉君に逢うのが、怖くて…。

　あれから何度も夢に見る。

　上杉君が、私に交際を申し込んでくれた時のこと。

　嬉しくて、嬉しくて、舞い上がりそうになった私は、次の瞬間気が付くの。

　上杉君の後ろで、誰かもわからないとても綺麗な女の子が、上杉君をじっと見つめている。





『あなたは同情されているだけ』


『あなたじゃ上杉君に相応しくない』





　声が聞こえたかと思うと、また、風景が変わる。

　今度は、その女の子の隣に、上杉君がいる姿。

　二人並ぶととってもお似合いで、正しく美男美女のカップル。

　上杉君は、その子にとても優しく笑ってる。

　やがて、二人の距離が近づいて…。



　キス。



　その後、すぐに眼が覚める。

　もちろん私の顔は、涙でグチャグチャ。

　…イヤだ。

　上杉君が幸せな姿でも、見たくない。

　上杉君が誰かに優しくしている姿なんて、見たくない。

　上杉君が、…キス、しているところなんて……！

　……。

　滅茶苦茶に頭を振って、忘れようと一生懸命頑張っても、脳裏に焼き付いた強烈な思考は消えない。






*

２　彩→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す