それではインタビューを始めます続

涙 ページ20

界人くんが帰ってきた


『おかえり、界人くん』


また今日もおんなじ甘い匂いをまとって


『お風呂沸いてるよ！』


やっぱり、もうおしまいにした方がいいのかも


石川「ただいま、Aさん！じゃあ入ってくるね！」


テーブルに置かれた界人くんのスマホには女の子からLINEが何件もきている


悲しいけど、やっぱりお別れしないとなのかな


界人くん優しいから、私から切り出さないと


界人くんがお風呂から上がる


石川「はぁ〜いいお湯だった」


『界人くん、あの…』


石川「ん、どした？」


『わ、別れませんか…？』


石川「えっ…」


界人くんの手から持っていたタオルが滑り落ちる


石川「な、なんで…？俺、なんかしちゃった…？」


『だっ、て、界人くん他に好きな人できたんでしょ…？私はもういいよ、その人に時間かけてあげて…？』


石川「えっ、ちょ、ちょっと待って…俺、Aさん以外に好きな人いないよ…？」


『嘘、だって、ポケットから口紅出てきたし、おんなじ甘い匂いまとって帰ってくる、し、…』


自分で言ってて悲しくなってくる


涙がポロポロ溢れる


石川「なっ、なにそれ…」


界人くんが困った顔をする


あ、だめだ


今日は一緒にいない方がいいかもしれない


絶対界人くんを傷つけること言っちゃう…


『ごめ、ん、今日ちょっと家出ます…明日、帰る、から…』


お財布と携帯を持って家を飛び出した

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