標的105 獣 ページ28
その後、僕と骸の二人の片眼にある実験がされた
六道輪廻。
六道輪廻のその両眼を分け合うよう僕と骸の目に一つずつ埋め込まれた
どんな物なのかはまだ分からない
まだ目には縫った跡が鮮明に残っていたため、二人の目には眼帯がつけられていた
貴方 ｢…変な感じがするな。片目しか見えてない感覚って｣
眼帯がつけられている為その殆どを片目で過ごすことになる
骸 ｢僕としては貴方と同じ目があると思うと、普通に嬉しいですけどね。｣
貴方 ｢ほう。骸はそういう性癖と僕は見た。｣
骸 ｢歳の割には口達者ですね｣
貴方 ｢貴様を罵るためなら僕はなんだってするぞ｣
ハッと結構なドヤ顔で答えてやると骸は｢心に刺さりましたよ｣と苦笑いを浮かべ言った
そういうお前だって口達者じゃないか…
口には出さないがそう思った
ふと、骸が僕に聞く
骸 ｢でも、あのマフィア共に勝手に身体を弄られたと思うと気に入りませんね…｣
遠目で再び作業をする大人を見て骸はやけに真剣な表情で述べる
貴方 ｢あァ。僕もいい思いはしていない。……かと言って逃れる方法なんて一つもないのが事実だ…｣
どうすることもできない
そう考えると、もうどうにでもなっちまえという感覚に襲われ、この地獄で笑さえ漏れるようになる
貴方 ｢今日は何人死んだ？｣
骸は笑一つさえ浮かべず淡々と｢確か３人ですかね｣と静かに述べた
寂しげに笑みを浮かべる
貴方 ｢……３人か…僕もいつか死ぬのかな…｣
Aは無防備にゴロりと床に寝そべった
貴方 ｢まァ悪くないかもな…骸が居る所で死ぬなんて虫酸が走る程御免だが、死んだ方が楽になれるのかね…｣
そういって喉をくつりと鳴らし笑ってみる
骸は一瞬驚いた顔をしていたが、直ぐに何時もの飄々とした笑みを浮かべ直す
骸 「ほう…その檻というものから貴方を出すゲームでもしてみましょうかね…」
貴方 「何…？」
骸の不可解な言葉に思わず問い返してしまった
檻から出す…ゲームだと？
貴方 「っ…！！」
ハッとした
確かに、現に過去に“此処を脱出した人間”が一人居る
が、この六道骸という少年はそんな甘い事など考えない
もっとスリルがあり
人をいたぶる…
だとすれば――
貴方 「まさか…貴様…！？」
骸 「僕らが地獄に行くには早すぎます…そんなゲームをまた一興…」
息を呑み、緊迫した表情で見る彼の顔は好奇心に満ちた
獣の笑みだった――
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 308人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時雨(プロフ) - えっ、ちょ、サルモネラ菌さんマジ神!!文才ありすぎ！マジ尊敬です！人間国宝です！永遠です!!!← (2017年1月15日 21時) (
レス) id: c6b79d49da (このIDを非表示/違反報告)
顔面クラッカー - とても面白いです！絵のクオリティ高いっすね (2016年11月6日 10時) (レス) id: fc063372f6 (このIDを非表示/違反報告)
サルモネラ菌(プロフ) - みずにゃんさん» ありがたいことです！、が、すみません、仕方なく時系列で...という事なのでご理解頂けると誠にありがたいです。確かに、ニードルの表記に変えた方が得策かもしれませんね^^*ご指摘ありがとうございました (2016年2月9日 22時) (レス) id: cf58a41f0e (このIDを非表示/違反報告)
サルモネラ菌(プロフ) - みずにゃんさん» 今回は早々に、普通では有り得ないことですが抜かさせていた頂きました。混乱を招いてしまったようで申し訳ございません...。ですが、「あァ...このシーンを見てやっぱり指摘してくれる方も居るのか...しっかり読んでてくれてありがたい」と心から思いました^^* (2016年2月9日 22時) (レス) id: cf58a41f0e (このIDを非表示/違反報告)
サルモネラ菌(プロフ) - みずにゃんさん» コメントありがとうございます！やはり、そういうコメントが何時か来るのでは...と思っていたのですが、小説と話の進み方の影響で少し嘘、という言い方とは少し違いますが時系列の問題で早くピアスをつけるシーンをつくらなくてはいけなかった為、 (2016年2月9日 22時) (レス) id: cf58a41f0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サルモネラ菌 x他2人 | 作成日時：2015年1月3日 0時
