松野家の隣人ちゃん2 (ページ6)

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「もー､ほんと驚いたんだから」

『すいません…』

「健康管理はちゃんとしなきゃ」

『はぁい』

2限にもわたるHRが終わり下校時間｡

もちろん部活がある人は部活あるし
入学した1年生への部活勧誘もあるから
今日明日はかなり騒がしくなるはず｡

『ほんとごめんね…トド松』

「仕方ないよ怪我人なんだし」

『ありがとうぅ…』

そんな私はアイスの代わりにおそ松に
奢ってもらったオランジーナ片手に
トド松と演劇部の部室を目指していた｡

「カラ松兄さんもよくやるよねぇ…」

『あの性格にはあそこが合ってるんだよ』

演じてるカラ松は生き生きしてるし
練習するのもとっても楽しそうだ｡

だから今から練習見るのも楽しみ｡

『トド松は部活しないの?』

「え～､僕はもういいよ｡受検生だし」

『それもそうだね』

「Aちゃんマネでもやれば?」

『いやぁ…私抜けてるし』

「それもそうだね」

『否定しろや』

たんたんと一段ずつ階段を上がってく｡
この階段を上がれば部室はもうすぐ｡

『あーもう階段上がるのもしんどい…』

「男子の前でそういうこと言わないの」

『トド松だもん…いいかなって』

「よくないよ」

やれやれと呆れる彼｡

末弟なのに案外頼れるとこあって
しっかりしてるしちょっと尊敬｡

まぁお兄ちゃんがお兄ちゃんだもんね｡

『今年も1年仲良くしてね』

「こちらこそ」

『あ…あとちょっとだぁ……ふぅ』

「どんだけ体力ないの…?」

いやだって私のポジション自宅だし｡
最近は松野家になりつつあるけど…｡

いやでも確かに手ぶらでこれはひどい｡

『トド松結構体力あるよね』

「そりゃ走ってるし」

『はぁ～流石ですわ』

「自分磨きは大事だからね」

やめて心にぐさっときたよ今の｡
華麗にウインクなんか決めちゃって｡
自分がかわいいこと分かっててやってる｡

白く少し汚れた廊下を歩いていくと
演劇部！と書かれた看板がちらり｡

『今年は彼女できるといーですね』

「できないよ」

『いやいや決めつけるのはよくな』

「だって作らないし」

『えぇ？！つくんないの？！』

兄さんたちあんな欲しい言ってるのに…?
嘘でしょ何それ信じられませんよ｡

『好きな子は?』

「いるよ」

『頑張れよ…！』

「だってきっと叶わないし」

『…』

トド松なら大丈夫だよ

なんて無責任なことは言えないけど｡

『私､応援するからね』

「もうそういう時点で…」

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