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悪役が慕われる所以 其ノ弐 ページ5

〜Aside〜

少女の目には、不安の色が伺える。

「ーー大丈夫ですよ、お兄さんは帰ってきます」

「っほんと!?」

「はい。ですから、お兄さんの帰りを家で待っていてください」

「うん!」


少女と別れてすぐ。

「おい、何でわざわざ希望を持たせたんだよ!」

「無駄に期待して、帰って来なかった時の絶望は大きいんだぞ!?」

この方々、階級は(みずのえ)(かのと)ぐらいでしょうか……?

まだまだ実践経験が足りてませんね。

「私、“無駄な”期待なんてさせてないんだけど」

「…は?」

「どういう事だよ!」

代わる代わる喧しいですね……

「今回の鬼、多分まだあの子のお兄さんを食ってないわよ」

「何でそんな事っ…」

「…こんな事も分かんないなんて、やっぱり最近の隊士は質が落ちてるわね」

「んだと!!」

私がため息を吐いて諦めたような顔をすると、一人の隊士が掴みかかってきた。

その隊士を、避けながら足を引っ掛けて転倒させる。

「うおっ!!?」

「鬼の気配も分かんないの?」

私がそう言うと、残りの三人が首傾げる。

「鬼の気配…?」

「してるか?」

「してねぇと思うけど…」

この距離だとかなり微弱ですが、鬼の気配はしているんですよね。

………あの少女が指した山から。

「この気配は、適当に見つけた人間を食っている系統の鬼じゃなくて、何かしらに獲物を限定して食っている系統の鬼よ。

しかも、今回の鬼は大分頭の可笑しい性癖を持ってるわね。

ま、鬼狩りをしてればそんな珍しい事でもないんだけど」

鬼になる以前の何かしらの思い出が影響して、限定した人間を襲うようになるという話はよくある事だ。

「階級が上の奴はそんな事まで分かんのかよ……」

「すげぇな…」

「でもそれを当然だと思ってるあたり、気に入らねぇよな」

「ほんとにな」

気に入られないようにしてるんですから当然でしょう。

「こっちこそアンタ達みたいな奴等に気に入られたくないわよ」

私は悪態を吐かれながらも山に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ファンブックにて、村田さんは那谷蜘蛛山の時点で
階級は庚との事だったので、己から、壬か辛に訂正しました。
めっちゃ下げてごめんよ皆……

悪役が慕われる所以 其ノ参→←悪役が慕われる所以 其ノ壱



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こくらげ(プロフ) - 柚餅子椿さん» こちらこそありがとうございます!お待ちしてます〜 (2019年12月3日 22時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)
柚餅子椿(プロフ) - ありがとうございます!はい、描けたらURLを貼らせていただきます…! (2019年12月3日 22時) (レス) id: 8588a4cb1f (このIDを非表示/違反報告)
こくらげ(プロフ) - 柚餅子椿さん» 全然大丈夫です!むしろこちらからお願いしたいくらいですから、とても嬉しいです!描けましたらコメント欄にURLを貼っていただければ幸いです! (2019年12月3日 16時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)
柚餅子椿(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します!いつもお話楽しく読ませていただいおります!質問なのですが、夢主さん描かせていただきたいのですが大丈夫でしょうか…? (2019年12月3日 16時) (レス) id: 8588a4cb1f (このIDを非表示/違反報告)
こくらげ(プロフ) - こーりさん» いつもコメントをくださってありがとうございます!更新頑張ります! (2019年11月27日 19時) (レス) id: 1529cffae1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こくらげ | 作成日時:2019年10月8日 23時

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