悪役の善人 其ノ壱【※裏切り】

被害を与えることは前提 ページ3

〜No side〜

「じゃ指令よろしく。

…ん？あっ！！蜜璃ちゃ〜ん！」

さっきまでの態度が嘘のように笑顔で甘露寺に手を振る美幸。

「あ！美幸ちゃん！！」

美幸に気付いた甘露寺も手を振る。

「ね、最近出来た桜餅の美味しいお店行かない？」

「きゃーっ！すっごく行きたいわ！」


……ちらりと甘露寺がAの方を見た。


「…美幸ちゃん、何もされてない？大丈夫？」

既にAが何かするという事が前提の質問。

美幸とAが一緒にいると、必ず美幸は「大丈夫だったか」と聞かれる。

(初めから何もしてないんですがね〜…)

苦笑混じりの言葉は心の内にとどめ、悪役の顔を引っ張り出す。

「やっぱり私、何回見ても貴女にはキュンとしないわ」

「別にキュンとされなくて結構よ。

アンタにキュンとされても迷惑なだけだし。

じゃ、私指令あるから」

そう言って二人に背を向ける。


「どうせ指令なんてないくせに」という視線を感じながら、Aは場を後にした。


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Aちゃんはこの後伊黒さんに睨まれます
甘露寺蜜璃セコム恐るべし…！((
ちなみにA本人は別になんとも思ってない…風を装って内心謝っているそうです。

「悪役を止めたり、美幸さんの事を言ったりすると私の首が飛びますので……
……というのは理由になりませんね。毎回すみません皆さん…」

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