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長ズボンを教室に置いて、グラウンドへ行ってみるとまだ準決勝あたりなのに人だかりはとても多い。時折女子の悲鳴が聴こえるってことは、大方勘ちゃんか八左ヱ門がやってるのかな。
『応援してほしい』とは言われたけど『決勝を見に来てほしい』と言われた訳じゃない。というか行ったらもしかしなくてもファンクラブの餌食になる。だから遠いところからひっそりと応援しよう。
「そうだテニス！兵助、今どうなってるんだろ……」
次の目的地を決めて、歩みを進めようとする。なるべく目立たないように、ただでさえこの白髪が目立ってるから、なるべく人が通らないルートを通っていく。とはいえもしかしたら兵助が試合してるかもしれない。急がないと、そう思って校舎の角を曲がる。
「わぶっ!?」
誰かにぶつかった。最近こういうこと多くない？私の気のせい？
「ごめんなさ……あ、」
「や、やぁ、お千代ちゃん」
「不破くん!?」
咄嗟に声に出したけど三郎かもしれない。じっくり見極めないと。
「そんなに見つめられると恥ずかしいよ」
「ごめん。不破くんかなって思ったけど、よくよく考えたら不破くんか、鉢屋くんか…うーん……」
「不破雷蔵だよ。名前呼んだ後で迷うのなんてお千代ちゃんが初めてだな。」
「…本当に不破くんだよね？」
うん、と目の前の彼はそう言った。それならその言葉を信じよう。
「不破くん、どうしてこんなとこに？」
「いやぁ、実は…」
「好きです不破くん！！」
突然の愛の告白に二度聞きする。そしてすぐに目の前の彼と顔を見合わせる。声が聴こえたところへ行ってみると、顔を真っ赤にして俯く女子ともう一人、雷蔵くんにそっくりな男子がいた。
「あれってまさか」
「三郎だろうね」
ひそひそと囁き合う私達を横目に三郎は、雷蔵みたいに穏やかな笑みを浮かべた。
「ごめんね。気持ちは嬉しいけど、僕には好きな人がいるんだ。」
……好きな人!?
いや、三郎の愚行にツッコむべきなんだろうけど、好きな人!?!?
「えっ、不破くん好きな人いるの!?」
「ま、まさか！そんなのいないよ…！」
混乱してるのは私達だけではなく、雷蔵に告白した(と思い込んでる)女子もだった。あまりにも可哀想すぎる。
「そ、その好きな人って、」
ごくりと固唾を呑んで見守っていると、三郎は雷蔵の顔のまま、つかつかと此方側へと向かって、がっしりと私の腕を掴む。
「え、」
「この子だよ。」
＿＿何言ってんだコイツ？？
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来夢(プロフ) - とても素敵な作品ですね！更新待ってましたぁぁぁあ！！！これからも頑張って下さい(￣^￣)ゞ応援してます！ (2020年10月20日 23時) (
レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - とても素敵な作品をつくってくださりありがとうございます！いつも続きを楽しみにしてます！これからも無理せず頑張ってください！ (2020年3月19日 10時) (レス) id: 6604df6f14 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - 私この作品がとても好きです！いつも新しいお話が出るのを楽しみでワクワクしています！これからも応援してます！ (2020年2月29日 22時) (レス) id: 0c53dd61ea (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - 続編だ〜！！めっちゃうれしいです！これからも頑張ってください！応援してます！！ (2019年12月21日 14時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
るーじゃすどれいんw(プロフ) - 続編ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！この作品が大好きです。応援してます！ (2019年12月20日 22時) (レス) id: 6c9d28df35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無音
| 作成日時：2019年12月20日 21時
