○° ページ43
「まっ……何何!?晋太郎っ!?」
今をときめくアイドルに抱きしめられて動揺しない一般女性はいないと思う。
よって、今の私のこの反応は決しておかしくない。決して。
「居なくならない。」
「え?」
「壊さない。お前のこと、大切だから。」
「えええ!?」
薔薇の華やかでありながら優しい彼の匂いに包み込まれて、甘い言葉を囁かれていくうちに、自分が自分じゃないような心持ちになる。
「晋太郎、」
「ん」
「私、君と___」
閉め切った部屋に風が吹く。
それは晋太郎から私を奪うかのようにしてすり抜けていった。
「オイオイオイアイドルオイ!ウチの鶯巣に何してんだよオイ!」
「イケメンは油断も隙もないんだなァ!?」
さっきまで私を抱きしめていた晋太郎が、勘ちゃんに馬乗りになられるわ、ハチには足を押さえられているという情報量の多さ。何だろうこれ。カオスかな?
「待てよ。俺は何もしてないだろ」
「鶯巣にハグしてたじゃねーか!」
「抱きしめることの何がいけないんだか……」
やっぱり人を抱きしめることには何ら抵抗ないんだな。流石国民的アイドル……
あとファンでも何でもない私を抱きしめてくれるの凄いと思う。(※個人の見解です)
「……皆、朝ご飯食べよっか」
勘ちゃん達が晋太郎を殴る前に、いつもの日々に戻ろう。
.
「いやぁ鶯巣のお陰で晋太郎も赤点回避できてよかったわあ」
「お、お陰様で…」
テストが終わって早一週間、結果と順位発表が出た日に私は晋太郎を任せてきた柔道部顧問の先生に呼び出された。
「久々知は相変わらず1位で…あ、鉢屋9位やん。アイツ手抜いとるくせに問題の間違い指摘して加点貰とるからなぁ」
「あの、先生……」
「ホンマに助かったわ。鶯巣。
これからも晋太郎の家庭教師、やって貰おうかな♪」
「勘弁してください!!!」
○° ○° ○°
「はぁ……
後退りするようにして柔道部部室から逃げてきたもんだから、体力よりも精神力が消費された……。
早く花壇へ行こう。
荒らされたあの日から兵助にハチ、そして三郎と一緒に作っていって、少しずつ花が咲いていく。
「へ、」
普段人が通らない場所にある花壇の前に、人がいる。それも男女2人。
目を疑う。何度も擦っても、その光景が変わることはない。
.
「だ、誰……!?」
その人達は、私の知らない人たちだった。
○°カランコエ○°
○°「君を守る」○°
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来夢(プロフ) - とても素敵な作品ですね!更新待ってましたぁぁぁあ!!!これからも頑張って下さい( ̄^ ̄)ゞ応援してます! (2020年10月20日 23時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - とても素敵な作品をつくってくださりありがとうございます!いつも続きを楽しみにしてます!これからも無理せず頑張ってください! (2020年3月19日 10時) (レス) id: 6604df6f14 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - 私この作品がとても好きです!いつも新しいお話が出るのを楽しみでワクワクしています!これからも応援してます! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 0c53dd61ea (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - 続編だ〜!!めっちゃうれしいです!これからも頑張ってください!応援してます!! (2019年12月21日 14時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
るーじゃすどれいんw(プロフ) - 続編ありがとうございます!これからも更新頑張ってください!この作品が大好きです。応援してます! (2019年12月20日 22時) (レス) id: 6c9d28df35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年12月20日 21時